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2012.11.02

11月2日(金) / ルリタテハが産まれたよ!・園内通信

[昨日の朝(11/1)羽化したルリタテハ↘]

  <ルリタテハ>(瑠璃立羽)   タテハチョウ科    学名 Kaniska canace no-japonicum 
                      分布 日本国内   時期 6月~10月
                      幼虫の食べ物    ホトトギス,サルトリイバラ
                      成虫の食べ物    樹液,腐果

10月半ばのこと。昆虫など生き物が大好きな年長児Kくんが、園長室前に植わっているホトトギスの葉裏にいる幼虫を見つけました。ここには毎年知らぬ間にタテハチョウ科のルリタテハの卵がそっと産みつけられるのですが、Kくんはこのチクチクとげのある幼虫を平気で手にして顔を近づけて眺めていました。

初めてこの幼虫を見る方はその姿に大変驚かれるのですが、オレンジ色と黒のツートンカラーにとげのある体は大変個性的です。触ると痛そうですが、実際には痛くもなく毒もありません。毒のあるイラガに擬態しながら、鳥やカエルから身を守って生きているのです。
「飼ってほしい!」というKくんの希望で、食草のホトトギスの葉を毎日2枚ずつ与えながら飼育ケースで育てることになりました。不思議とこの幼虫がチョウになり飛んでいる姿を私もまだ見たことがありません。
 
 ムシャムシャと葉をよく食べる食欲旺盛の幼虫    ちょっと拡大…ムシャムシャ、パクパク・・・
アゲハチョウの幼虫もそうですが、チョウや蛾の幼虫は大変な大食漢。顔を上下に動かしながら弧を描くように綺麗に食べていきます。
 
 向こうにあるのは脱皮した皮。脱皮しながら大きくなり、やがてサナギに変化しました。サナギもゴールドブラウンカラーで美しく、コウモリがぶら下がっているようにも見えます。
毎朝観察していたKくん達がサナギに触れると、グルングルンと激しく回転して身を守ります。その動きがとてもユニークなので子ども達から笑いがでます。
サナギは触れられるととてもよく動きます。土の中の蛾のサナギも同じです。
 
 寒くなってきたので、そろそろ羽化するか、サナギのまま越冬するかが謎でした。僅かですが最近サナギが膨らんできたようにも思えました。上の写真は最後に脱皮した皮、そして横には赤っぽい水分が・・・。そう、羽化したのです!
羽化して羽を広げたら、チョウは最初に体にたまった水分を排泄します。
 
昨日の朝サナギを見ると、ちょうど亀裂部分から抜け出してゆっくり翅(はね)を広げて羽化した直後でした。空になったサナギの殻に最初はしがみついていましたが、そろりそろりと飼育ケースの中を移動し始めました。
ようやく広げた翅の表の色は、名前のとおりとても美しい瑠璃色をしていました。
 
いま満開のホトトギスの花を入れました。ルリタテハの食べ物が樹液や熟れた果物なので、とりあえず昆虫ゼリーを柔らかくして入れてみると早速口吻を伸ばして蜜をたくさん吸っています(右上写真)。
 
 ホトトギスの中を動きまわります。翅を閉じたときの裏の翅は黒っぽい地味な模様で、木の樹皮に溶けこみそうな色をしています。表は瑠璃色が映えて、まるで秋冬の装いにピッタリです。

 十分に翅をひろげたルリタテハ。光の加減によっては、体中がブルーグリーン系のメタリックカラーに美しく光ります。チョウは体を温めるために翅を広げ、太陽の日射しを体中で浴びようとします。

お昼のお弁当前。お庭あそびからクラスに戻る途中の年長の子ども達が、先生とともに園長室に立ち寄ったときでした。今まで翅を閉じていたルリタテハでしたが、子ども達のキラキラした眼差しを受けて、黒っぽい翅はゆっくりと開きだしました。
その瞬間、「わー、きれい!」と子ども達から自然と歓声があがりました。とても嬉しい瞬間でした。羽化したチョウが翅を広げた瞬間は言葉にならない感動を覚えます。

毎日目をキラキラさせて羽化を楽しみにしていたKくんは、ルリタテハが羽化した昨日そして今日、残念ながら体調不良でお休み。
もしもサナギが越冬して来春の羽化となった場合、小学校になっても見に来る!・・と言っていたKくんでしたので、このまま自然にかえすのはどうしても躊躇われます。
何とか来週月曜日までの間、観察しながらルリタテハの様子を見守りたいと思います。
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本日は、園内通信「お知らせ60」をお持ち帰りいただきました。
内容は、
◇ フリー参観のご案内
◇ 敬老会について
◇ 運動会ビデオについて
◇ 「左京子どもふれあいカーニバル」のお知らせ

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