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2013.07.09

7月8日(月) / 「ひみつの庭」工事レポート(8) アイアンゲート完成/亀岡「よし与工房」さん訪問記(4/27)・園内通信

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         【ひみつの庭正面ゲート】  『 亀岡 [よし与工房]製作 ロートアイアン扉 』

「ひみつの庭」造園工事もいよいよ大詰めを迎えています。昨年の夏休み中を使って行った園庭の透水管埋設工事以来、検討、選択、決定すべき事項が押し寄せていましたが、順に整理され目の前が晴れていくような思いです。
ブログ更新が滞っていましたが、本日は以前にお伝えしていたロートアイアン製の庭の入口ゲートについてアップです。
 
 造園中の場所はひみつの森に隣接しているため、日中に姿を現すことはない夜行性の野生のシカ、イノシシの夜の来訪は否めません。
 シカは、春の木の芽の時季から樹木の新芽や樹皮をめくって食べ尽くすので、森の樹々が枯れ込む被害があるばかりか、数年前より園内の植栽や樹木までダメージを受ける頻度が増えてきました。周辺の東山一帯もお寺の境内で大切にされている植物や農作物の被害が深刻な問題になっていることを耳にします。
 一方イノシシはわずかな隙間からでも侵入して、ブルドーザーさながら土壌を掘り起こし、春は大好物の竹の子、また土中のミミズやカブトムシの幼虫なども食料にしています。
 
 その昔、ひみつの森は白川砂を運び出すルートでもあり、周辺の樹木は伐採した後に薪にして使われていました。その需要がなくなった今は、樹木が大きく生長して森を覆うので、太陽光があまり射し込まない場所が多くなっています。そうすると森の中に下草が育たなくなり、人間とは距離をおいて森の奥に生息するはずの野生動物にすると、食べやすい葉が少なくなっていきます。それで里に食べ物を求めて近づいてくることになるのでしょう。
しかも、天敵がいない動物は毎年数が増えており、食料の不足を更に里に求めるようになった結果、柔らかな野菜や花の味を知ることになります。今では森の食べ物よりも先に里の植物を求めて毎晩さまよっているように思います。
 専門家の話では、シカは森に食べ物がなくなってくると笹の葉も食べるそうですが、この辺りは野生動物にとっても絶好の生息地らしく、まだまだ森の中に食べるものは残っているようでもあります。
 
 ひみつの庭の第二期工事がスタートした5月連休明けは、まず長年伸びすぎているひみつの庭周辺のカシ、ヒノキ、クスノキ、アカマツなどの大木の伐採が、毎日連続で始まりました。
樹木の専門家が木の善し悪しを見分けられ、大量の樹木がロープをかけて伐採された後には明るい春の光が射し込んでたくさんの薪が山積みになったほどでした。
有り難いことに、薪は冬場の暖房として薪ストーブを使われている近隣の方々がもらって下さいました。
 お父さまは背中に背負子、子ども達は空のナップザックスタイルで、ご家族総出でお山の上から下までを何往復もされたのは園児Kちゃんご家族。自分の体重ほどはありそうな木を抱きかかえながらも、自分の役割として黙々と文句も言わずに上り下りを繰り返していたKちゃんごきょうだい。その様子を見ていると、思わず胸が熱くなりました。
やがて冬の季節が来て家族で暖をとられるときには、自ら苦労して運んだ見覚えのある木々が、ご家族とKちゃんの心まで暖めてくれることを願います。
 
 近年、京都の山々はキクイムシによるナラ枯れが問題になっていますが、このお山の大木も同じく被害にあっています。と言うよりも、森の新陳代謝のためには大木ほどキクイムシに侵されやすく、若い木は被害に遭っていません。これは家電製品の普及とともに人間が木を剪定し薪を利用しなくなり森が放置されるようになった結果、人間の思いが及ばぬところで自然の摂理が働き、森林のバランスをとろうとしているのだと考えられます。
 園の子ども達、山の学校の小学生達が、自然の森に分け入って学ぶ意味は大いにあります。私達の身近な森を自分たちで手入れしたり守る体験から学ぶこと、また、十分な酸素を私達にもたらしてくれる森の緑の意味を感じる取ることもできます。
実際に小さな子ども達の手でも、みんなで力を合わせて共に実践すると驚くほど大きな力を生み出すことが可能です。
過日、年長クラスの園児全員が子供用の軍手をつけ、森の中で自分たちでも拾えるゴミ類をたくさん拾い集める取り組みをして園庭に戻ってきた日がありました。そしてそれを業者さんに頼んで廃棄処分していただく流れとなりました。
 一方、父親参観の折りにはお父さま方にも園よりお話をさせていただきましたように、今後皆さま方の力もお借りしながら、ひみつの庭につづくひみつの森を、樹木整理を行い明るく手入れされた場所にできたらと考えています。

前置きが長くなりました。
 以上のような事情から、子ども達をつつむひみつの庭の植物、ウォーターガーデン(ビオトープ)の生き物を守るためには、現在築いているような高いフェンスが必要でした。シカの侵入防止としては2mの高さが必要になるため、特注でつくっていただく必要がありました。
 
 そこで閃いたのが、以前から個人的に憧れを持っていて、ヨーロッパの町並みでは当たり前に目に入る大型のアイアンゲートでした。
早速オーダー製作して下さるところを探し、一番最初に出会えたのが京都亀岡にある「よし与工房」さんという鉄の工房でした。もうここしかない、と他所を検討することはありませんでした。
 まずお電話でおたずねしたところ快く相談にのって下さり、その後デザイナーさんとも打ち合わせを重ねた後に製作していただくこととなりました(今年1月半ば)。
 このお山は、季節の移り変わりとともにいろいろな生き物が姿を見せてくれます。昨日、本日と続いて、お庭でカミキリムシの数種類を子ども達が見つける姿も見られます。
ゲートのデザインをイメージしたときに、日常に子ども達が外あそびで出会う昆虫、チョウ、鳥などを是非入れていただきたい!そう思いました。
 
 現在取り付け完了のアイアンゲートより (ピックアップ写真)
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  先日よりお山の中でも姿が見られるタマムシ        一番上に鳥がとまっています
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  雨がふると動きだすカタツムリ                オオカマキリかな コカマキリかな 
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  お家で育てていると今日言ってたのはKくん        お山にも日本原種のノイバラがあります
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下の写真は、4月後半の休日に工房を訪問して製作途中を拝見したものです。
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「株式会社 よし与工房」さん玄関 [4月27日]
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 工場に入ると目の前に製作中の扉がどっしりと横たわっており、焼き付け前のシルバー色の大きな鉄扉に圧倒されました。
クレーンでゆっくりと重量のある扉を立てて下さり、実際に園内に設置したときをイメージしながら営業の勝部さん、女性のデザイナー田部さん、また職人さん方とお話をしました。
いずれ目の前の大型門扉が出来上がり、実際にお山の緑の中に置いた場合にどのようになるのか?はイメージするのが難しかったのですが、設置完了した今では、すっかりお山の緑にとけ込み一つの風景をなしています。門柱灯を取り巻くカバーも、同じロートアイアン製で電球を包むような形にしていただきました。
 ロートアイアンの職人さんには実際の作業現場も案内していただきました。何千度もの非常に高温となって燃えているコークスの中で熱された鉄棒を、実際に捻って曲げてみる体験も一人ずつさせていただき結構な力が要ることも解りました。
 製作中の工場内の夏の暑さとなると相当厳しいものだそうですが、これほど固くて大きな鉄の塊が、専門の職人さんの手にかかると美しいカーブを描いたり(門扉トップ部分)、ギザギサと鋭く尖った部分がまったく無く、なめらかな鉄の温かみを保っていることに感動を覚えます。出来上がった扉の縦の鉄棒部分は、子ども達が触ってくれた方がよいくらいです、とのご説明でした。
 見学を終えよし与工房さんの玄関近くには、見上げるほどの大きな淡ピンク色の山桜花が満開を迎えていました。
大変魅力的な工房 よし与工房さんへの訪問は、あっという間の楽しい時間でした。感謝。
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本日は、園内通信「お知らせ37」をお出ししました。
内容は、
◇ 尿検査、蟯虫検査の結果について

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