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2011.10.21

10月21日(金) / はい!あげる・これは何でしょう?・園内通信


         〔 アレンジメント もくれん かき しだ もみじ あじさい  〕

アップにするとずいぶん立派ですが、本当はとても小さな手づくりのお飾り。
気持ちのよい爽やかな秋を感じる一昨日、年長児のお下げ髪のFちゃんが、「はい!あげるよ」と突然手渡してくれた素敵なアレンジメントです。嬉しかったのは勿論のこと、小さな手でつくられた見事なひらめきとそのセンスに本当に驚いてしまいました。

モクレンの葉の上に落葉した赤い柿の葉を重ね、真ん中に穴を開けたところに、かすかに秋色に色づいた紫陽花、イロハモミジとシダの葉が上手に差し込んであります。イロハモミジには、園の子どもたちがよく知っているプロペラ状の種もおまけについています。
自然の中にある身近な秋の色を使って表現することができるFちゃんの感性が、このままどこまでも伸びやかにふくらんでいくように願うばかりです。

園内はいま、真っ赤な柿の葉が毎朝たくさん落ちてきて、見上げるとオレンジ色の実がたくさんぶら下がっているのが目に入ります。
言葉にはしなくてもそんな自然からの贈り物の数々を子どもたちはちゃんと気づいていて、「もうすぐあのイチョウの葉っぱも黄色くなるから・・」と言いながら、一面の赤い落ち葉を小さな手に何枚も重ねていく女の子の姿があります。
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〔これは何でしょう?〕

「せんせい! みつけた!」
つい先日のこと。年長児Hくんが、「ぼくはまだアリジゴクを見たことがないんや・・」とつぶやいていたので、お庭の隅の砂地の場所などを一緒に探してみた日がありました。
そして一昨日、とうとうお目当てのこの虫をお庭のある場所で発見したのでした。図鑑などでよくみて知っていたのですぐにこれだとわかったようでした。
子どもたちはみな自然のメガネを持っているのですが、特大サイズのメガネを持っているように思われるHくんには、とうとうあちらからお望みの虫が姿を現してくれるようになったのでしょうか。
私も実際にはまだ目にしたことがなかったので、歓声をあげてしまったほどでした。

 
これは、『アリジゴク』(クロコウスバカゲロウの幼虫)です。
アリジゴクは、砂地にすり鉢状の穴をつくって沈んで潜み、落ちてきたアリなどを捕食します。
早速子どもたちが砂場でつくる泥団子用の「さらすな」(サラサラの砂)とお庭の隅の黄色い砂をブレンドしたものを虫かごに入れ、Hくんが見つけたアリジゴクを入れると直ぐにお尻からズブズブと砂に沈んでいき、頭だけ出して獲物を待つ態勢に入りました。
だからと言って、獲物のアリやその他の生き物を入れるには忍びないのでそのままにし、次の日にはクラスのみんなにも紹介してあげることができたようでした。そして今日、元いた場所(砂混じりの芝生地)に大切に返してあげ、元気に歩いていく様子を見守るHくんの姿がありました。

ウスバカゲロウの幼虫アリジゴクは、土や砂で土まゆをつくって中でさなぎになり、夏の初めに羽化するようです。
トンボに似たウスバカゲロウが飛んでいるのを見たことがある方は多いでしょう。でも、アリジゴクの生態や成虫の姿を思うと、とてもユニークで不思議な昆虫です。
普通は成虫になるまで2年もかかるそうですが、このクロコウスバカゲロウは1年で成虫になるようです。

Hくんの「いつか見たい・・」という思いが叶ったアリジゴクとの出会い。ドラマチックな出来事でした。
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本日は、園内通信「お知らせ53(年長児用)」「お知らせ54」をお出ししました。
内容は、
「お知らせ53」
◇ 月ぐみ 就学時健康診断について
「お知らせ54」
◇ 敬老会について

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