小6対象のプレ英語を担当し、英語の勉強を子どもたちと一緒にしました。

山の学校のブログに書いた記事を転載します。英語を学ぶ方法はいろいろありますが、最低限大事なことは「楽しく学ぶ」方法を自分なりに見つけることだと思います。山の学校では科目を問わずどのクラスもこのことを大切に取り組んでいます。学校の勉強は成績がつくので競うように学ばされますが、それとは別に対象そのものの本質的面白さを体感しておくことがしり上がりに力を伸ばしていく上での秘訣です。

今プレ英語(水曜日)第1回を終えました。
アルファベットから確認しようと思ったのですが、全員きちんと習得していることがわかったので、中1で学ぶ英単語のリストを渡し、単語の学習に取り組みました。
リストを見ながら、めいめいに「知っている」英単語を挙げてもらい、あわせて発音もしてもらいました。
続いて白い紙に今確認したばかりの英単語のスペルを正しく書いてもらいました。
book、box, color, December, autumn, cakeなど10個の英単語が出そろったところで、それぞれの単語を辞書で引いてみました。
生徒3人に貸したのは中学生用の辞書、高校生用の辞書、大人用の辞書を1冊ずつです。
ひとつの単語を調べるごとに、それらの辞書を交換して全員が三種類の辞書を使いました。
高校生以上の辞書を使うのは大変ですが、時間は多少かかっても一つ一つ自分だけの力で英和辞典を使って調べることができたのは、アルファベットの知識が定着していることに加え、日頃から国語辞書を引いていることの賜物だと思いました。
辞書を引くのは「知らない意味を知るため」と思っている人が多いようですが、あらかじめこの単語はこういう意味だとわかった段階で引くと知識の定着がはかれます。
さらにちょっと目を動かすとbook=本だけでなく、「予約する」の意味も見つかります。覚えなさいと言われても覚えませんが、目的外の散歩気分で辞書とつきあうと、知らぬ間に教科書に載っていないさまざまな単語の意味を知ることも可能です。
boxは動詞もあり、boxing dayもすぐ近くに見つかります。
Decemberは高校以上の辞書には語源が載っていて、Decemはラテン語で10を意味することが書かれています。
Novemは9,Octoは8、Septemは7です。なぜ2か月ずれたかの話を少ししました。
cakeはみんなが好きなケーキですが、数え方に癖があります。なぜ a piece of cakeという言い方をするのか、みなで考えました。
ある生徒は「ニコニコするから」と言いました。
ピース=平和=ニコニコの連想のようでした。
別の生徒が、「ジグソーパズルのピースのことでは?」と正解を言い当てました。pieceとpeaceを辞書で確認しました。
後半は中1の1学期に学ぶ予定の英語の例文の日本語訳のリストを見せ、英語になおせそうなものを一つずつ選び、口頭で答えてもらいました。
小学校でもDo you~?やIs this~?などの例文はかなり学んでいるようで、私は少し補助するだけでめいめい正確な英文を答えることができました。
「今日はここまで」という目的地のない授業なので、生徒の一つ一つの答えからどんどん脇道にそれた話を展開しました。
「曜日」の話題から、惑星の名前に話は飛びました。
「月」の話題から、6月がJuneであること、なぜJune bride という言葉が生まれたか、について、など、ローマ神話の話にからめてお話をしました。
Moon, Monday, Mars, Mercury, Jupiter, Venus, Saturn (悪魔のサタンではない)・・・Junoはどこにもない!Jupiterは見つかるのに、ということになり、Junoを調べると小惑星であることがわかりました。
可算名詞、不可算名詞にも自然に話は移行しました。
最後にsheepは単複同形なのはなぜか?という話題で盛り上がりました。
ヒントとしてcarp, deerも基本的にsはつかない話をしました。(読売ジャイアンツ、阪神タイガース、中日ドラゴンズ、でも広島カープスって言わないね、というところから、なぜカープにsがつかないのか?みなで考えました)。
a 一つおろそかにできないという話で締めくくりました。
科学者志望の男の子に I want to be a Newton.という例文の意味を考えてもらいました。
aを引くとおあつらえ向きの例文が見つかり、「~のような人」と答えてくれました。
Einsteinならan ですね。
<まとめ>
単語の発音、アクセント、意味は辞書に載っています。まめに引きましょう。
引いた単語には線をつけると、次にページを開いた時見つけやすいです。同じページの別の単語を調べる際、以前引いた単語として思い出すきっかけにもなります。
単語の意味を先生に教わったとき、そのままにせず、必ず辞書で確認しましょう。その意味を確認するだけでなく、それ以外の意味があることにも注意します。同時に派生語にも目を向けると言うことなしです。
単語の日本語の意味を見ただけで、英単語が浮かび、正しい発音・アクセント・綴りが答えられるようになればOKです。
中学で習う英文は200パターンもありません。少ないようですが、これらの日本語訳から正確に英文を復元できるまで地道に取り組んでください。

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