今日は三年間の締めくくりとなる卒園式を無事に終えることが出来ました。

子どもたちは全員が胸を張って立派に証書を受け取ることができました。

私は式辞の中で、学校の勉強はなぜ大切かについて、子どもたちが分かる言葉でしっかりと伝えたいと思い、そのお話をしました。

その後記念写真を園庭で撮った後、謝恩会を卒園式の会場で開いて頂きました。

今年のお食事会は、お楽しみ会と同じ第三園舎(つきぐみの園舎)で行われた点が斬新でした。

会場にカメラをもっていかなかったのが惜しまれるほど、手に取るもの、目にするものすべてが素敵でした。

出し物の影絵は素晴らしいの一言でした。

物語作りも、切り紙づくりも、ナレーションも、ピアノも、影絵の扱いも、最後のダンスも、舞台の設営も、隅から隅まで、すべてに手作りならではの心がこもっていました。

先生からの出し物は、例年と趣向を変え、出し物というより会場全員で盛り上がる楽しい取り組みになりました。

三年間の思い出をまとめたスライドショーは、間近で子どもたちのリアクションを見ることができ、感慨無量でした。

「~ちゃんかわいいー」、「なつかしー」等、子どもらしい言葉、大人びた言葉がいっぱいでした。

同じ内容のものを卒園記念DVDに収めてあります。

今ご覧になってもよし、10年後にご家族で、またはお一人でご覧になってもよし、だと思います。

付録としておつけしたもう一枚のDVDには園児の作った俳句のファイルと子どもたちの画像が収められています。後者は「おやまのえにっき」から卒園児のファイルを選んでまとめたものです。

素敵なお花もいただき、また私たち教職員一人一人にピッタリの俳句もご披露いただきました。

こうした保護者のご理解と温かなまなざしに包まれ、私たちは子どもたちと一緒に楽しく過ごすことのできた三年間であった、と思いました。

私からのお礼の言葉の中で紹介した蕪村の俳句の意味を後で子どもたちから聞かれました(勉強熱心でいいですね)。

春の海、というのは丹後の海のことだそうです。

ひねもす、というのはご存知ヒネモスと同じ意味で、「一日中」ということです。漢字だと「終日」と書きます。

のたり、は「ゆっくりと動くさま」と辞書にあります。それが二回繰り返されるので、「ゆっくり、ゆっくり」という感じになります。

年長児の俳句は、遡ると去年の四月に「かたつぶり そろそろ登れ 富士の山 一茶」でスタートしました。

どちらも「そろそろ」とか「のたりのたり」とか、「ゆっくり、ゆっくり」がポイントです。

ただ、お話でも申し上げた通り、山のてっぺんを目指して登るという生き方も大切である一方、やさしい春の光の下、波打ち際で大の字になって波に身をゆだねるのも人生の大切な時間です。

どちらかだけで人生が成り立つのではなく、両方のバランスが大切だと思います。

子どもたちにとってみれば、これからの小学校生活は前者の山登り的生活が中心になりがちです。

保護者としては、いっしょに手を携えてゆっくり、しっかり、マイペースで登っていくのがよいでしょう。

ただ、だからこそ、その一方で、「のどかな春の海」に身をゆだねる安らかな気持ちを忘れずにいてください、というのがお話ししたかったことでした。

会の準備と運営に携わられたすべての保護者の皆様に心よりお礼申し上げます。また、お目にかかることを楽しみにしています。

追伸
卒園記念DVDには、3/8に行った谷での活動もビデオにして収めています。

後半で、道なき道を分け入り「素敵なもの」を発見した子どもたち。

私は偶然その歓喜の声や、その後の優しさあふれる男の子たちの生き生きした行動を目撃でき、映画を見ているようでした。

この日は誕生会で先生たちが「どうぞの椅子」を演じました。「どうぞのブランコ」と名付けたいと思いました。

後日談ですが、この動画の簡略版(下の動画)をクラスお別れ会の日にミッキーの映画に続けて子どもたちに見せたのですが、不評でした(「ミッキーがいい」の合唱)。

子どもたちにとってはありふれた日常のワンシーンですが、いつか大人になって自分たちがどんな風景を見て、何に夢中になっていたのか、確認できる証になればと願っています。

「おやまのえにっき」に「動画」のカテゴリーを作りました。上の動画もそこからご覧いただくこともできます。数はまだ少ないですが、卒園児の写ったビデオをいくつかアップしていますので、またご覧になってください。

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