先日、年中の男の子から、前から聞きたかったことがある、と前置きされた上、「クリスマスはイエスさまのお誕生日。なのに、なぜサンタさんは僕たちにプレゼントをくれるの?」と質問されました。

お帰りの道中だったので、「イエスさまにとっては、みんなの喜ぶお顔やありがとうの言葉が、何よりのプレゼントではないだろうか」という趣旨のことを述べるにとどめました。一方では、サンタクロースとイエス様は別人である等、大人の言葉であれこれ説明をつくしていくと本質から遠ざかる思いがして、このように簡潔に答えたという理由もあります(私見を述べると、クリスマスの本質は「感謝」の意味を考えることにあるように思います)。そして、子どもの純粋な心から上の疑問をもち、質問してくれた男の子の気持ちが大切に思われました。

そこで、先日のお誕生会では、このやりとりをもとに、「ありがとう」という言葉にはとても大切な意味があることを子どもたちにわかる言葉で具体的にお話ししました。誕生会終了後も、それぞれのクラスで、自分たちが日頃どんなプレゼント(目に見えるもの、見えないもの)を周りの人にもらっているのか、子どもたちとの間で話題としたようです。

そして今日、二学期の終了式。今日はその続きのお話しをしました。それは、みんなも自分の気持ちひとつで、周りの人から「ありがとう」と言われる人になれる、というお話です。(ただし、他の人に何かをしてあげたからといって、相手が「ありがとう」と言うとは限らないし、その言葉を聞くことが目的ではない、とも付け加えましたが)。

たとえば、年中、年長児がしっかり手をつないでくれることで、年少児は元気に幼稚園に来ることが出来ますが、年下の子は面と向かって「ありがとう」と言うわけではありません。相手のことを思い、喜ぶ顔を思い浮かべて何かができる。このことの中に大事なものがあります。

話としてはやや長くなりましたが、子どもたちの真剣な姿勢が、今日は私に長く話させたように感じています。

お話の最後は、「ありがとうの気持ちを持つことを、『感謝』と言います。感謝の気持ちを大切にして下さい」と結びました。「感謝」は言うまでもなく大人の言葉ですが、胸を張ってこちらを見ている子どもたちに、心から届けたいと思って伝えた言葉です。

わたしたち教職員にとりましても、日々保護者の皆様に助けられ、今日の終了式を迎えることができましたことを厚くお礼申し上げます。そして、皆様のご家庭が感謝の心に包まれ、佳き新年を迎えられますことを心よりお祈り申し上げます。

今年一年有り難うございました。

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