山下大吾先生のラテン語入門講座を受講しました。受講して、西洋に関係することを学ぶ者であれば、ラテン語はかじるだけでも絶対にかじったほうがよい、と強く思いました。普段はドイツ語を読む機会が多いのですが、ラテン語もしばしば引用の形などででてくることがあり、今まではほぼ敬遠状態でとばしながら読んでおりました。しかし、一通り文法を学ぶと、格変化を確認しつつ辞書は引いてみようといった段階にまでは、確実にステップアップしました。レベルの低い話で申し訳ないのですが、それまで勝手に敷居が高いものと思って遠ざけていたものに親近感がわくようになるというのは、それだけで大きな変化ではあります。

ラテン語を学ぶことで、例えばドイツ語など他の言語を相対的に見る視点が生じるというのも学ぶメリットとしてあるかと思います。例えば、ちょうどドイツ語では曖昧な形で「3格」としてあるものが、ラテン語では「与格」と「奪格」に分かれていたりして比較して興味深く思っておりました。また、ドイツ語も英語などに比べると格がしっかりしていますが、ラテン語はもっとかっちりしているので、主語なしでオーケーなどというのも面白いと思いました。いずれにせよラテン語学習によって既習言語への視野が広がる感覚がありました。

それとこれは私が勝手に面白いと思っている「発見」なのですが、英語の「republic 共和国」がラテン語「res publica 直訳すると人々のもの」になるときに語末が脱落しての変化であったということです。今まで勝手にre は「再」という意味で、何故「再び公」が共和国なのか分からなかったのですが、ラテン語由来と知って納得しました。私の挙げた例はつまらないかもしれませんが、学んでみるとそのつど何かしら発見があるのではないかと思います。

山下先生がラテン語のみならずチェコ語やロシア語などスラヴ系の言語をマスターしておられ、英語その他の西欧諸言語にも堪能でいらっしゃるため、こぼればなしが非常に豊かになるのも有り難かったです。毎回予習は大変でしたが、山下先生が毎回それ以上に頑張ってくださっていることに励まされて、三ヶ月という短期間で一通り文法をやり終えることができました。
迷っておられる方は是非受講されることをおすすめいたします。

(2010 年2 月K.T.さん)