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📖 テキスト(2021年9月〜)坂本多加雄の論文(時間意識に関するもの)
土曜 20:10~21:30 講師:吉川弘晃
<クラス紹介>
この授業では、19世紀後半以降の「現代世界史」
<秋学期からのクラス(2022-09-19更新)>
秋学期は「歴史と時間」
主に坂本多加雄の論文(時間意識に関するもの)
第1回目は「思想への不信から「言葉」
<春学期からのクラス(2022-05-02更新)>
春・秋・冬学期の流れを、次のように考えています。
春学期(4〜7月)
<理論編>「現代世界史」を理論的に俯瞰できるようになることを目指す
秋学期(9〜12月)
<実践編(1)>「現代世界史」が各地域・領域で展開される課程を理解できるようになることを目指す
冬学期(12〜3月)
<実践編(2)>「現代世界史」について理論的基礎と日本からの視点を踏まえた上で、日本以外の地域に関する近現代史のテキストを選んで学習。
<冬学期以後のクラス紹介(2021-11-19更新)>
<秋学期からのクラス紹介(2021-09-27更新)>
<開講とテキストが決定しました。(2021-05-21追記)>
教科書:柄谷行人『世界共和国へ』岩波新書、2006年
(2010年の『世界史の構造』に拡大していくタネのような本です。分量も少なく、文体もやや読みやすいものになっております)
概要:今学期は、19世紀以降の「世界の一体化」を推し進めるソフトウェアとしての役割を果たした資本主義、ネーション、(国民)国家について以上の教科書を読みながら学んでいきます。高校での世界史・倫理の知識に加え、大学での西洋思想史や宗教、社会学など様々な知識が展開されますが、一つひとつ講師が補足説明を行います。その上で「現代世界史」の理念的枠組を習得することが目的です。来学期は、ここで学んだことを活かし、より具体的な事例に即して「世界の一体化」に関する本を読んでいく予定です。予習:各回で扱う部分を事前に読み、面白かった点や分からなかった点をまとめておく。余裕があれば簡単な要約(800〜1200字)を作ってもよい。
<テキスト候補・授業の進め方>(上記を読んだあと、下記5つのテキスト候補から選んで読んでいきます。)





<以下は、2021年3月のクラス便り>
本クラスは、19〜20世紀の歴史を扱う研究書を批判的に読んでいくことで、現代の国内外の様々な情勢を複眼的に理解できるようにします。「批判的に読む」と述べたのは、具体的には、①著者の意見と先行研究や資料の引用とを明確に区別する、②各節・各章の話が全体を構成する際の「物語り」が成功しているかどうかを吟味する、③その上で読み手自身の批判的な視点を形成するよう努める、という3点に注意して読書を行う方法を身につけるということです。
秋学期には『世界大恐慌:1929年に何がおこったか』(講談社学術文庫、2009年)をゆっくり読んでいきました。本書は1929年にウォール街から発生した全世界的な経済恐慌を扱うものです。なぜ20年代の合衆国で金融バブルが生じたのか、恐慌は(日本を含めた)各地でどのような影響を及ぼしたのか、合衆国は恐慌にいかなる手段を講じたのか、そして90年前の「世界恐慌」から我々が学ぶべき教訓は何か…といった問題を筆者は提起しています。
本書はもともと学術書です。一線の研究者が多くの先行研究を整理した上で、独自の知見と視点を加え、自身の論理を展開するようなスタイルを取ります。専門家以外にも分かりやすくするために説明や補足事項を親切に入れてくれる一般書とは異なり、学術書は一定の専門知識をもった上で読まれるのを前提にしているのです。知らない用語が出てきたらそれを調べる必要がありますし、他の何冊かの入門書を読まねばならないこともよくあります。
いずれにせよ、学術書を読むためには、それ相応のコツ(と精神的負担)を必要としますが、詳しくは授業でお話しするとして、ここでは皆さまの読書生活で最も基本的であり最も重要なこと、つまり書店や古本屋、図書館で本を手に取ったら最初にやるべきことを3つ挙げておきます。
まずは、目次を確認することです。目次と睨めっこすれば、本全体の構成が、その本が何を扱っている(扱わない)かが分かるはずです。この時点で、自分の求めていることが書いていない本、もしくは題名と内容が一致していない本(タイトルや帯に「裏切られる」ことが昨今は多いのです)を読書対象から除外することができます。
次に、著者を確認してください。多くの場合、本の裏表紙か末尾に著者の経歴が書いてあるはずです。その人はどんな経歴をもっているか、何を仕事(専攻)にしてきたのか、信頼できる業績をもっているのか。近年はブログやSNS発で一般書籍にデビューする場面が増えてきました。今まで注意されなかったけれど興味深い話題を扱う人が多い反面、不確かな証拠や扇情的なレトリックを売りにする論者も少なくありません。自分が読むべき本を見定めるための一つの指標として著者の経歴は参考になります。
第三に、序章を精読することです。良書のほとんどは、序章を読むだけでその本質を十分に汲み取ることができます。その本が何を問題にしているか、その対象はなぜ重要なのか、何をどこまでどのように明らかにするのか、つまり研究全体の目的・背景・手段・範囲がそこに書かれているはずです。読者はその本から何を得られるのか(情報の性質と新規性)、逆に言えば「何(どの部分)を読まないべきか」をある程度、見極めることができます。
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