0508 英語講読(ハリー・ポッター)

コリンからの質問に答えるという形で、クィディッチのルールのおさらいができるようになっていました。

 

ハリーがコリンをどうにか振り払って更衣室に到着すると、すでに他のチームメートはそろっていました。キャプテンのウッドは新しい練習の説明をするために早朝の呼び出しをしたのでした。

 

長い説明を聞いて外に出るとロンとハーマイオニーが朝食のトーストを持ってやってきました。何も食べていないハリーはうらやましく思います。イギリスのトーストは日本のトーストと比べると一般に薄いから、ここでのトーストも薄いのではないかといった想像をふくらませました。

 

このあたりの描写にはpitch, changing roomといった語が頻繁に登場します。それぞれアメリカ版ではfield, locker roomとなっていました。ピッチという語は日本ではサッカーの普及とともに最近広がったように思います。

 

コリンは観客席から写真を撮っていたのですが、ウッドはこれが気に入りません。敵チームのスリザリンからのスパイだと疑っていたのです。

 

‘He’s in Gryffindor,’ said Harry quickly.

‘And the Slytherins don’t need a spy, Oliver,’ said George.

‘What makes you say that?’ said Wood testily.

‘Because they’re here in person,’ said George, pointing.

 

最後の発言のin personといった表現は見ればわかるものの、なかなか自分では使えない表現です。その前のtestilyという語はtestの副詞形で訝しげにといった意味なのかと思っていたら、testyの副詞形で短気にといった意味だと辞書を引いて知りました。簡単そうに見えるやり取りからも新たな発見があります。

 

There were no girls on the Slytherin team – who stood, shoulder to shoulder, facing the Gryffindors, leering to a man.

 

スリザリンのチームに女の子はおらず、一人残らずグリフィンドールの人たちに向かってにやにやしていました。to a manはto the last manと同じ意味で、一人残らずという意味です。辞書を引いて初めて知りました。

 

聞けば新しいシーカーを訓練するために練習する許可をスネイプ先生からもらったとのことです。そしてその新しいシーカーはドラコ・マルフォイで、彼の父はチームに最新型のほうき(ニンバス2001)をプレゼントしたようです。

 

‘Very latest model. Only came out last month,’ said Flint carelessly, flicking a speck of dust from the end of his own. ‘I believe it outstrips the old Two Thousand series by a considerable amount. As for the old Cleansweeps,’ he smiled nastily at Fred and George, who were both clutching Cleansweep Fives, ‘sweeps the board with them.’

 

最後のsweep the board with ~という表現は「~に圧勝する」という意味です。ポーカーなどで盤上に置かれたチップを総取りするところから生まれた表現です。ここではCleansweepという名前のほうきが話題になっているので、その連想が働いているのでしょう。

 

マルフォイは大いに得意げで、his cold eyes were reduced to slitsとなるほど目を細めました。ロンとハーマイオニーもやって来ますが、マルフォイの自慢げな態度は続きます。

 

You could raffle off those Cleansweep Fives, I expect a museum would bid for them.

 

フレッドやジョージが使っているCleansweep Fiveは博物館が競り落とすであろうほどに古いという嫌味ですね。

 

それに対してハーマイオニーが、自分たちのチームの人たちはお金で買ったのではなく実力でチームに入っていると痛烈に言い返しました。それを聞いたマルフォイはハーマイオニーに向かってMudbloodと言い放ちました。

 

これはひどい侮辱語のようで、ロンはマルフォイに魔法をかけようとしますが、杖が壊れていたので自分に当たりました。そしてなめくじを吐くようになったのです。

 

Malfoy was on all fours, banging the ground with his fist.

 

それを見たマルフォイは、四つんばいになって地面をたたいて笑います。on all foursが四つんばいになってという意味になります。これも熟語として辞書に載っていました。

 

ハリーとハーマイオニーはロンを近くのハグリッドの小屋に連れて行きます。小屋の前に来ると、何とロックハート先生が出てきました。ハリーはとっさに隠れましたが、ハーマイオニーは何だか気が進まない様子でした。

 

そうしてロックハート先生をやり過ごし、ハリーたちはハグリッドの小屋を叩いて中に入ります。ハグリッドは珍しく、ホグワーツの先生であるロックハートのことを悪く言います。ハーマイオニーは弁護しますが、ハグリッドによると、闇魔術を担当するのはロックハート先生しかいなかったのです。

 

ハグリッドの小屋ではtreacle fudge(treacle toffee)が振舞われます。すごく硬くてあまりおいしものではなさそうに描写されています。このお菓子にはハグリッドの性質が表れているのかもしれません。

 

このあたりで時間になりました。まだまだ話の序盤ですが、続きが楽しみです。