0218 何でも勉強相談会(36回)

この日はある種、何でも勉強相談会の様相を呈しました。

 

まずは理科で気圧が高い低いというのはどういうことかという質問を受けました。気圧とは空気の重さによる圧力のことなので、高いところに行くほど自分の上にある空気は減るので気圧が低くなると説明しました。それだけだとイメージが湧きづらいので、高い山にポテトチップスの袋を持っていくとふくらむという、お馴染みの例を出しておきました。

 

するとトンネルで耳が痛くなるのも気圧が関係しているのかという質問をさらにされました。おそらくそうだとは思いつつも、自信がなかったので、手元のスマートフォンで検索してみました。それによるとやはり気圧が関係しているようです。

 

それからはスマートフォンに質問が集中しました。価格や使用料、使い勝手などです。本体価格は普通に買うと数万円、使用料もインターネットを使い放題にすると6千円くらいはするので高いけれども、出先で地図を見たり、クラウドサービスに保存した資料をどこでも参照できるのは便利だと伝えました。しかし何分高いので、持たなくてもいいなら持たないほうがよいとも伝えました。すると別の生徒が、iPod touchだとwifi環境さえあれば月々の使用料を支払う必要がないと教えてくれました。確かにそれは賢い選択です。

 

お次は社会の質問で、EUのように関税を撤廃するとよいことがあると言われているが、悪いこともあるのではないかという指摘でした。目の付け所がよいです。日本で今議論になっているTPPも同じ構図です。関税が撤廃されると安い商品が入ってくるということで消費者としてはいいことがありますし、日本の車のように輸出産業も喜びます。他方で日本の農業のように価格競争力が低い産業は苦しむことになります。このように得をする人と損をする人がいるということをおさえておくのが最初の一歩だと思います。

 

そうなれば日本の農業は、京野菜のようにブランド化すればよいのではないかとその生徒は言いました。おっしゃるとおりで、実際にその方向が模索されています。しかしいくらブランド化するといっても、現状としては、農業だけで生計を立てるのは難しいかもしれないという話になり、半農半Xの話題を出しました。ちょうどこの日の少し前に行われた「経済学の夕べ」で言われていたことを思い出したのです。そのような興味があるなら「経済学の夕べ」に来たらよかったのにと思いました。

 

その流れもあってか、雇用(就職)の話になりました。「銀行員になるためには頭がよくないとだめですよねぇ」と言われたので、「頭のよさは前提として、体育会系の体力も必要だろう」と答えたり、「塾講師はCMでサテライトの授業をしている人を見たりするけどどうなのか」と聞かれたので、「サテライトの授業をする講師には芸能人のような演出も求められるし、サテライトが普及すればするほど生身の人間は少ししか必要とされなくなる」とリアルな返答をしました。一つの意見として受け止めてもらえればと思います。

 

「偏差値って何ですか」というある意味身近な質問も出されました。「俺の偏差値は○○だ」とか言っている友人がいるけれども、言わんとすることがわからなかったそうです。そこで偏差値の説明を一通りすると、「偏差値って平均点によって変動するんですね」と言ってくれたので、理解してもらえたという確信が得られました。偏差値が何かがわかったのがこの会の大きな収穫だったとその生徒は帰りに言っていました。

 

入試における足きりや来年度の京都府公立高校入試制度改革の話などをした後、国語の点数が上がらないという相談も受けました。漢字や文法のように努力して覚えればできることはがんばってやるとして、文章を読んで答える問題のコツをいくつか伝授しました。理由を聞かれたら「~から」、どういうことかを聞かれたら「~こと」のように答えるのが第一のルールです。指示語が何を指しているかを探させる問題であれば、これかなと思った部分を実際に代入して意味が通るか確認すること、「一文」を抜き出せなのか「部分」を抜き出せなのかで探し方が変わること、小説などであれば感情語に着目することなどを伝えました。本を読むのが好きで文章自体は意味がわかるということだったので、おそらくこういうコツさえつかめばどうにかなると思います。

 

このようにこの日はたくさんの質問に答えました。ただ、私がしゃべりすぎたかなという反省もあります。質問に答えているときに他の人の邪魔になっていたら申し訳ないです。自習は一人でもできますし、たまにはこういう回があってもよいかなと自分に言い聞かせながら帰路につきました。