0206 英語一般講読(ハリー・ポッター)

ロンたちのお父さんが帰ってくる場面からです。

 

お父さんの仕事はマグル製品不正使用の取り締まりです。この日は9件もの強制捜索をしてお疲れの様子です。それでも収穫は縮む鍵や噛むやかんといったくらいでした。

 

Why would anyone bother making door-keys shrink?

 

「なぜ誰かが鍵を縮ませることをわざわざするのだろうか」とジョージが聞くのももっともです。bother to do / bother ~ingという表現は否定文で「わざわざ~する」という意味になります。この文では「誰もそんなことはしないだろう」という意味合いが込められているので、事実上否定文だと考えて差し支えありません。お父さんによると、ただマグルをからかうためのようです。

 

お母さんがおもむろに車のことを例に出しながら会話に入ってきます。お父さんは車に空を飛べるような魔法をかけたことについて苦しい言い訳を迫られます。その車を使ってハリーを連れ出したとわかっても、ロンたちの肩を持っているような雰囲気です。

 

夫婦喧嘩はさておき、ロンはハリーに自分の寝室を見せます。壁一面にひいきのクィディッチチームのオレンジ色のポスターが貼られ、カエルの卵でいっぱいの水槽があったりします。

 

Ron’s school spellbooks were stacked untidily in a corner, next to a pile of comics which all seemed to feature The Adventures of Martin Miggs, the Mad Muggle.

 

「ロンの学校の呪文の本は、みなThe Adventures of Martin Miggs, the Mad Muggleを連載している漫画の山の隣で、隅っこに乱雑に積まれていた」とあります。どのような部屋かはだいぶイメージが湧きました。ハリーはこの部屋が気に入ったようです。

 

ここから第4章です。ロンの家で、ハリーは、今までに経験したことのないようなしゃべる鏡やガチャガチャ音を立てるお化け、そして家族の人たちに気に入られるということを体験します。

 

お父さんからはマグルの世界のことについていろいろ尋ねられます。

 

‘Fascinating!’ he would say, as Harry talked him through using a telephone.

 

「ハリーが電話を使うことについて彼に詳しく説明すると、「興味深い!」と彼は言ったものだ」です。私は一読した時にusingを分詞構文だと捉えて、「ハリーが電話を使って彼に話すと」のように思っていたのですが、talk throughに「~を詳しく説明する」という用法があることを発見したので、最初に示したような内容に修正しました。~ingの動名詞か分詞かの識別には悩まされます。

 

ある日の朝、ハリーとロンに同じ手紙がホグワーツから届きます。そこで指定された教科書はほとんどがギルデロイ・ロックハートの本でした。フレッドが言っていたように、担当の先生はロックハートびいきの魔女なのでしょうか。

 

監督生のパーシーも朝食に加わります。席に座ろうとしたら、フクロウのエロルがいてびっくりしました。かなり弱っているようです。しかし誰もあまり気に留めていませんでした。フクロウはあくまでも手紙を運ぶ道具という位置づけなのでしょうか。

 

エロルはハーマイオニーからの手紙を運んできていました。水曜日にダイアゴン横丁でいっしょに必要な買い物をしないかというお誘いです。その誘いに乗ることを決め、ロンたちはその日は丘でクィディッチの練習をすることにしました。

 

パーシーをクィディッチに誘っても断られました。どうも最近は部屋にこもってばかりのようです。この前のテストの成績はtwelve O.W.Lsだったそうです。O.W.LとはOrdinary Wizarding Levelsの略称です。それだけ聞くと並の成績かとも思えるのですが、それだけの成績があるとビルと同じように主席になれるだろうという文脈からして、かなりよい成績のはずです。ハリーたちはunderageなので夏休み中に魔法を使ってはいけないことになっていたことからすると、ordinary wizardというのはそうした制限が解かれるような一人前の魔法使いと考えることができます。

 

Dunno how Mum and Dad are going to afford all our school stuff this year

 

とジョージがはお金の心配をします。dunnoはI don’t knowのくだけた言い方ですね。

 

ハリーは魔法界のグリンゴッツ銀行にひとかどの遺産を持っているのでやや気まずく感じます。

 

He had never mentioned his Gringotts bank account to the Dursleys; he didn’t think their horror of anything connected with magic would stretch to a large pile of gold.

 

「彼(ハリー)は自分のグリンゴッツ銀行口座のことををダーズリー家の人たちに決して言わなかった。というのも、魔法に関係するあらゆることへの彼らの恐れが山のような金にまでは及ばないだろうとハリーは考えたからである」が直訳です。stretchという単語の使い方が印象的です。彼らの恐れは山のような金にstretchしないということは、彼らの手が山のような金にstretchするということです。魔法界と人間界とで通貨は違っていても、金という物質が貴重なのは同じなのでしょう。

 

ここまでで今回はひと区切りとなりました。