西洋古典を読む(2022/6/8)

福西です。

ウェルギリウス『アエネーイス』(岡道男・高橋宏幸訳、西洋古典叢書)を読んでいます。

9巻の176-271行目を読みました。

ニーススとエウリュアルスが登場しました。

夜の歩哨に立つ二人は、松明の数から、ルトゥリー軍の陣営のすき間を見つけます。そこを縫って行けば、こっそりアエネーアスの元にたどり着けるだろうと。

ルトゥリー人は明日の攻撃に備えて、英気を養うために酒を飲み、眠っています。

ニーススは援軍を呼ぶ伝令役を買って出ます。最初は一人でことをなそうと思ったのですが、エウリュアルスに相談したところ、彼も協力すると言います。

二人は一心同体です。

さっそく、アスカニウスら首脳陣に相談します。アスカニウスは喜び、「父を連れ戻してくれ」と頼みます。

その時、老アレーテスが「このような若者たちがいる限り、トロイアは不滅だ」と喜びます。

この誉め言葉が、果たして吉と出るか、凶と出るか。

二人の隠密行動は、『イーリアス』のドローンの章を本歌取りしています。それが『アエネーアス』ではどのように描かれるのか、お楽しみです。