2021-12-29 キケロー『弁論家について』より

山下です。

人間とは何か。人間とは言葉を用いる生き物であるとキケローは述べています。

だれでも言葉を用いているという自負を抱きますが、本当にそう言えるのかどうか(動物と変わらない場合もある)。

人間らしい言葉の使い方とは何かをキケローは問題にしています。

いや、それだけではない、フォルムや法廷の席、演壇や議事堂のことばかりを思い浮かべてもいけないので言うのだが、どうだろう、私的な閑暇にあっていかなる点でも粗雑さのない聡明な談話ほど、心地よいもの、いや、真の人間性に固有のものが他にあるだろうか。というのも、互いに言葉を交わし、感じたこと、思ったことを言論によって表現できるという、まさにこの一点こそ、われわれ人間が獣にまさる最大の点だからである。(大西英文訳、岩波文庫)

引用個所のラテン語について、リンク先で一字一句解説しています。

>> 「言葉は真の人間性に固有である」(キケロー『弁論家について』1.32より)