福西です。
中学生クラスの方です。
『クローディアの秘密』（カニグズバーグ、松永ふみ子訳、岩波少年文庫）９章を読みました。
クローディアとジェイミーは、タクシーで、フランクワイラー夫人の屋敷に到着します。
家出資金はすっかり底をつきました。
夫人に面会を求めたとき、夫人はすでに新聞で家出の件を知っており、二人に興味を持ち、招き入れます。
クローディアは天使像について「教えてもらえたら、私は家に帰れるんです」とたずねますが、夫人は首を縦に振りません。
「それは私の秘密よ」と。
一方、夫人は「家出のあいだ、あなたたちはどこにいたの？」とたずねますが、クローディアもまた、あごを上げて言います。
「それは私たちの秘密です」と。
そのやり取りに夫人は喜びます。
気に入られた二人は、夫人の書類棚を調べるチャンスを得ます。ただしタイムリミットは１時間。書類棚の項目はいくつもあります。
あと６分というとき、クローディアがひらめきます。ジェイミーの口癖である「ぼろっちい（原文ではboloney）」から、ボローニャの項目を調べることを。
とうとう、天使像のスケッチが出てきました。それもミケランジェロの署名入りの！
クローディアはそのスケッチを、形がぼやけてくるまでじっと見ていました。クローディアは泣いていました。（…）
「考えてもみてよ、ジェイミー、ミケランジェロ自身がこれにさわったのよ、四百年以上も昔。」
クローディアはそのスケッチをガラスの上から抱きしめます。以前、「天使像をだきしめたいわ」と言ったことを実現したかのように。
フランクワイラー夫人（８２歳）は、そのスケッチを二人に相続することを約束します。そのかわり二人は、これまでの出来事について夫人に話します。
（その２）へ続きます。