西洋の児童文学を読むB(中学生)2021/1/8

福西です。『モモ』(エンデ、大島かおり訳、岩波書店)を読んでいます。

第2章7『友だちの訪問と敵の訪問』を読みました。

「わたしのしゃべったことは、まるっきりでたらめだよ。わすれてくれ!」──これはモモを訪れた灰色の男の言葉です。灰色の男が機械仕掛けの人形ビビガールとビビボーイを持参し、モモに一人遊びをすすめます。その時、灰色の男は「よく聞くんだ」と言い、マシンガンのようなセールストークをはじめます。

しかしモモの「聞く力」によって、灰色の男は時間泥棒の秘密を自分からばらしてしまいます。その時に、灰色の男は「でたらめだ」と自分から否定します。

モモにとっては、「よく聞くんだ」の内容がでたらめで、「忘れろ」の内容が真実。一方、灰色の男にだまされた人たちの身には、その逆が起こっています。