西洋古典を読む(中高生)(2020/1/9)

福西です。

本年もよろしくお願いいたします。

ウェルギリウス『アエネーイス』(岡道男・高橋宏幸訳、西洋古典叢書)を読んでいます。

第3巻の278~305行目を読みました。

アエネーアス一行はブトロートゥム(コルフ島の向かいの町)に到着します。そこにはヘレーヌスとアンドロマケーがいました。アンドロマケー自身の語る、彼女の数奇な運命と、ヘレーヌスの予言とが、第3巻の一つの山場になっています。

トロイア戦争で夫ヘクトルを殺され、捕虜となったアンドロマケーは、戦利品としてネオプトレムスに与えられます。ネオプトレムスはヘクトルを殺したアキッレウスの息子です。しかし彼はまもなくアンドロマケーを捨てて(ヘレーヌスに与えて)、ヘルミオネーを追いかけます。そのせいで三角関係となり、オレステースに殺されます。

そこから、アリアドネーとテーセウスの話に脱線しました。

テーセウスもまた、恋仲のアリアドネーを捨ててしまいます。アリアドネーは、テーセウスがクレータ島のミーノータウロスを退治するために手を貸した恩人であり恋人です。しかし一緒にクレータ島を脱出した直後、テーセウスはアリアドネーをナクソス島に置き去りにします。新しい恋人(アマゾネスのアンティオペー)を追いかけて……。

テーセウスは悪友ペーリトオスとつるんで冥府で狼藉をはたらくなど、冒険性ゆえの悪さの目立つ英雄です。彼はのちにアテーナイの「よい王」になりますが、アンティオペーの後に娶ったパイドラーが、テーセウスの息子ヒッポリュトスに恋してしまったことから、ほころびが生じます。そのときのテーセウスのふるまいが息子を死に追いやってしまうのですが、ここでは「悲劇」とだけ述べ、割愛します。

 

受講生のA君から、『オデュッセウスの冒険』(吉田 敦彦、青土社)を紹介してもらいました。冬休みに読んで面白かったとのことで、内容を話してくれました。大きく分けて、著者独自の視点で語られる章と、『オデュッセイア』のまとめ解説の章との二部構成。前者では、カリュプソから不死をもらうことを拒否したオデュッセウスの、人間として生きて死ぬことへの英雄性に焦点が当てられ、A君はそれに共感したそうです。また、冥府下りにおけるギルガメッシュ叙事詩との比較も面白く、私も興味を惹かれました。

一方、K君は『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』というシリーズを推してくれました。ギリシャ神話を現代風にディフォルメしたファンタジー作品です。