1124 英語講読C

浅野直樹です。

 

35節からの最終章に入りました。

 

この章では現代について述べられるので皮肉のきいた表現も増えてきます。例えば以下のような箇所です。戦後ドイツに見られるように、破壊こそが資本主義経済の発展に寄与するという文脈です。

 

Under modern conditions, not destruction but conservation spells ruin because the very durability of conserved objects is the greatest impediment to the turnover process, whose constant gain in speed is the only constancy left wherever it has taken hold.(p.253)

 

直訳してみます。

 

現代の状況下では、破壊ではなく保存が破滅を導く。なぜなら、まさに保存された物の耐久性がその(資本の)回転過程に対する最大の足かせだからである。その回転過程が根付いているところではどこでも、その回転過程の絶えず増大するスピードが唯一残された不変のものである。

「その回転過程の絶えず増大するスピード」は「その回転過程のスピードの絶えざる増大」としたほうがより直訳になりますね。