「山びこ通信」2017年度春学期号より下記の記事を転載致します。

『イタリア語講読Ⅰ・Ⅱ』

担当 柱本 元彦

 <講読I>のほうは数年前に亡くなったアントニオ・タブッキの『夢の夢』を読んでいます。歴史上の著名人が(たいていは文学者・芸術家です)、<いついつの夜こんな夢を見た>ではじまる短い空想物語が並んでいます。文章もすっきりとして難解なものではなく、一篇の長さも数ページしかないので、ひととおり文法を学習した後に用いる講読テクストとしては最適でしょう。受講生からの質問に頼っていますが、文法事項などを確認しながらゆっくりと進めています。こんな風にこの一冊を読了すれば、後は何にでも突撃していけるように思います。<講読II>は、イタリアで最も著名な音楽学者、マッシモ・ミラのモーツァルト論からオペラに関するものを取りあげ、前期に引きつづき<コジ・ファン・トゥッテ論>を読み、そして<イドメネオ論>を終えたところです。『イドメネオ』は滅多に上演されないマイナーなオペラですが(つまり見たことがないのですが)、「初期モーツァルトの最後の作品、あるいは成熟したモーツァルトの最初の作品、いずれにせよ十八世紀の<退屈な>オペラ・セリアのスタイルのなかでもっとも美しい作品」と書かれています。十八世紀のオペラ・セリアと言えば、スカルラッティやヘンデルを思い浮かべますが、ミラの言葉が本当ならばこれほど<便利>なことはない。・・・と思って早速DVDを購入しました・・・なのにまだ未開封なのは、忙しさにかこつけた怠慢以外の何ものでもありません。

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