「山びこ通信」2017年度春学期号より下記の記事を転載致します。

『漢文入門』

担当 福谷 彬

 今春から開講している漢文入門のクラスでは、講義時間の前半を小川環樹・西田太一郎『漢文入門』(岩波書店、1957年)を用いて漢文の基本的な語法を学び、後半を朱熹『近思録』を用いて朱子学の概説を行っております。
 『漢文入門』が挙げている用例は、各文法事項を知る上で有益なのはもとより、『韓非子』や『孟子』のように思想的にも重要なものが多いです。講義では、文法的な説明に加えて、思想内容についても解説することに力を入れています。クラスでは受講者の方に例文を訓読していただき、私から解説した後、質問にお答えするという形式をとっています。
 また、『近思録』は朱子学の創始者、朱熹が作った学問の入門書ですが、先人の書の引用集であるため、編集者の朱熹の意図はなかなか読み取りにくいものになっています。本講義では、引用元の思想家の思想や、その言葉が踏まえる経書の文脈に気をつけつつ、朱熹がいかに先人の書物の思想を吸収しつつ、自己の思想を形成しているか、という点をご紹介できれば、と思っております。

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