今号の山びこ通信(2012/2月号)から、クラスの様子をご紹介します。(以下転載)

 

『ギリシャ語入門A・B』 (担当:広川直幸)

入門 A では,Peckett & Munday, Thrasymachus を用いて古典ギリシャ語の初歩を学んでいる.一年でおよそ半分まで進むことができたので,あと一年で終えることができそうである.

Thrasymachus は,トラシュマコス少年の物語を読みながらギリシャ語を学ぶ読解中心の教科書である.前半15課はルキアノスの対話集を髣髴とさせる対話から成り立っており,これが実に面白い.語彙と文法を導入しながら,つまり使える語彙と文法が制限された状態で,会話を成り立たせるだけでも困難であるはずなのに,この教科書は愉快なやり取りを見事に成立させている.しかも,原典からの引用や改変ではなく,著者が自分で書いた立派な古典ギリシャ語である.正直その能力には舌を巻かざるを得ない.

読解中心の教科書で勉強していると,勢い屈折の学習が不十分になりがちである.週一回の授業では屈折の練習にあまり時間を割くことができないので,各自で十分に練習していただきたい.

入門 B では,往年の定番教科書 First Greek Book(絶版)を使って古典ギリシャ語の初歩を学んできた.毎月第2,第4土曜日に2コマずつ授業を行っているので,一度にかなりの量をこなす強行軍になってしまい,詳しい文法の説明や屈折の練習をしている暇がなかったことが悔やまれるが,それでも何とか一年間で教科書を終えることができたのは,ひとえに受講生の努力の賜物である.

このクラスは四月から初級講読に昇級する.初級講読では,文法の初歩を復習しながらプラトーンの『饗宴』を読む予定である.教科書には Louise Pratt, Eros at the Banquet という初学者向けの註釈書を用いる.初級文法を修めていれば参加可能である.(文責 広川直幸)

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