中学数学B(2016/7/7)

福西です。

SちゃんとYwa君は試験直前の勉強を、Yta君は試験後の復習をしました。

Sちゃんは、この日は教科書を持ってきていました。そして「典型的な重要例題」(もし自分が先生ならこれを出したいと思うような、そしてその予想が80%以上当たっていそうな問題)に重点を置いて練習しました。そして先週確認したように、その同じ問題を「繰り返しする」ことをしました。

クラブの試合と練習との関係が、そのまま試験と勉強との間でも言えます。「解答を見ながら何とか解けた」問題が、試験で「完全に解ける」ことはまずありません。それなので、本番前に引っかかるところを何度も練習し、克服し、素早く解けるようにしておいてから、いざ本番ではその8割のスピードで解ければいい方だと見積もることが、試験勉強の姿勢だと思います。

Sちゃんには、本番の手ごたえをまた教えてほしいです。あとはその結果に一喜一憂することなく、淡々とフィードバックするのみです。

 

試験の終わったYta君は、1年生のおさらいをしました。特に( )、{ }のある計算問題をしました。

1年生のそれは遠いアプローチのようですが、入試前にはどのみちやり直すことになるので、今からその先取りをしていると思えばいいのです。

この手の計算でのYta君の目標は、スピードアップならぬ「効率化」です。スピードとミスのなさは、究極的には相いれませんが、Yta君にはまだまだ効率化に伸びしろがあり、両取りが可能です。

「両取り可能」とは、どういうことでしょうか?

たとえば極端な例を挙げてみます。

1/6(2x+3x)

という式があるとき、

1/6×2x+1/6×3x

と展開するのは非効率です。以下、

=x/3+x/2

=(2x+3x)/6

=5x/6

となり、結局元の木阿弥です。それだけでなく、計算過程が長くなることがミスの要因ともなっています。

上の例では、先に( )の中を

2x+3x=5x

と計算すれば、その手の困難は避けられます。

計算はひたすらトンネルを抜ける迷路のようなものです。迷路は山の学校でも小学生の時によくしましたが、コツはそれと同じです。スタートからゴールを目指す「ひたむきさ」に加えて、枝分かれでのちょっとした「目端・先読み」(上の例で言えば、カッコの展開をすぐにするか、保留するか)が利くようになると、だいぶスムーズなります。

「この時はこうした方が早いし正確だ」という「方法」は、すぐに身に着くものではありませんが、かといってそのための「はじめの一歩」を踏み出さない限り、いつまでも同じやり方に終始してしまいます。

Yta君の自信は、そろそろ次のステップに移る時だと判断し、今後は計算の癖を直していってもらおうと思います。

 

3年生のYwa君は、二次関数の最大・最小の問題、判別式の利用をしました。

Ywa君は、けがで学校をしばらく休んだ時に取れなかったノートを、友達から借りるだけでなく、積極的にわからないところをその友達に教えてもらっていたそうです。また、その友達も巻き込んで、ああでもないこうでもないと勉強し合ったと聞きました。すごいなと思いました。それで二人とも分からなかったところがあったので、それを授業では教えてほしいとのことでした。

授業で確認した基本方針は、以下の通りです。

(2次関数の)【最大・最小の問題】

・定義域に制約がない場合は、平方完成し、計算だけでさっさと解答。

・定義域に制約がある場合は、計算だけでは危険なので、グラフも描いて確認。

・定義域が-1≦x≦5のように、両端とも「=」を含む場合は、(これを有界閉集合といいます)、最大値も最小値も必ずある。またそれは、凸の尖端か、端っこかのどちらかに必ずある。(要するに吟味する箇所は3か所)

【判別式の問題】

・最大・最小の問題ではグラフを描こうと言ったが、その手間は、もし判別式の利用を知っていたら、そちらで肩代わりできることがある。

・その場合、問題を簡便に解けることが多いので、積極的に使っていく。

なお、判別式を使うと簡便にできる理由と保証は、2次方程式の「判別式が非負(負)である」ことと、「実数解を持つ(持たない)」こととは、互いに必要十分条件であることにあります。このあたりの納得は、この前まで勉強していた「命題と論理」と話のつながるところです。

 

さて、Ywa君とその友達とを悩ませた問題は、以下の応用問題でした。

1)x2-2xの最小値を求めよ。

2)4次関数(x2-2x)2+4(x2-2x)+1の最小値を求めよ。

1)の問題の位置づけは、2)のヒントであるわけですが、それが「なぜ」用意されているかを理解することが、今回のカギでした。

2)は普通に考えると、

z=x2-2xと置き、

与式=z2+4z+1=(z+2)2-3

となります。

よって、z=-2となるようなxの時に最小値-3。

という、「間違い」のルートに、私もまんまとハマりました。そこに至って、Ywa君の疑問をようやく私も理解して、一緒になってうーんと考えたのでした。

最終的な理解は、以下の通りです。

x2-2x=(x-1)2-1≧-1より、zの範囲には制限がついている!

普通は定義域が指定されている。けれどもこれは自分でその定義域を調べなければならない問題だった!

つまり、1)+2)で、

「z2+4z+1 (-1≦z)

の最小値を求めよ」

という問題だった!

わけでした。

この最小値は、(凸の尖端と思った場所ではなく)端、すなわちz=-1(であるようなx=1)で与えられます。よって答は「x=1で最小値6を取る」です。

 

以上、「なぜ定義域というものを考えるのか?」という、あいまいにしがちな部分を見事にえぐられるような問題でした。

そのおかげで、「定義域の指定がある時」「ない時」の問題を統合でき、関数に対する理解がより体系的になりました。その「分かったこと」をYwa君と私とで共有できたことが収穫でした。

またその友達にも、今度はYwa君の手から教えてあげてほしいです。

Ywa君が「ぼくは数学に食らいついています」と言っていました。

その言葉を何より応援したいと思いました。