「山びこ通信」2015年度冬学期号より下記の記事を転載致します。

『中学数学』

担当 吉川 弘晃

 現在、「中学数学」クラスは1年生と3年生の生徒さんを1人ずつ抱えていますが、前学期までと同様、生徒さんのレベルに応じて講師が用意した問題を解いてもらい、分からない問題については詳しい解説を行うという形式をとっています。
 秋学期は中学での学習分野が共に、図形の箇所が中心となりました。同じ図形分野でも前者は直線や扇形といった図形の基本的定義や作図、求積問題を扱うのに対して、後者は、相似や合同、その他様々な定理を用いた問題を扱っています。当然ながら、中学3年ともなれば、1~2年生でやった図形のいろはから、角度の求め方、さらには方程式などの分野が総合された問題を考えることになりますが、大事な部分は中学1年生と同じであると思います。それはすなわち、「自分が紙の上に一旦、書いたものを解答が終わるまで常に意識し続けること」です。
 中学1年であれば、直線や線分、扇形、垂直二等分線といった数学の専門用語を一つひとつ確認して身に付けるのが学習の重心になりますが、こうした用語をまずは、自分の言葉で同級生に説明できるか、そして小学1年生に説明できるか、この2点をノートを見ながらでもいいので考えてみましょう。そうすると、自分が白い紙の上に書いているものが、本来であれば直線ではないということ、コンパスは(単なる円を描く道具ではなく)長さを測る道具であるということ、こうしたことが作図を繰り返しているうちに身体に染み付いていくでしょう。
 数学的概念が数多く出てくるようになる中学3年では、以上のような確認作業は一段と重要になります。図形に一本補助線を描く際も、どのように引くか、新たに出来た交点を何と名付けるか、そもそも求めねばならない対象は何か、といった点に常に注意せねばなりません。一方、スピードが求められるような試験の場合、以上の順次的な思考だけでなく、この2つの三角形は合同、あるいは相似ではないか?というような直感に基づいた仮定の上で、それにつながるように解答や証明を試みるのも一つの考え方です。もっとも、こうした直感的思考は数多くの問題パターンを経験しなければ働かないのが事実である以上、大事なのは授業や教室で自力で解けなかった問題をもう一度、時間をおいてやってみる、同じ問題をやるのが嫌であれば、別のやり方を考えてみることでしょう。

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