『高校英語』(2年) 『中学英語』(2年) 『中学英語』(1年)(クラス便り2015年6月)

「山びこ通信(2015年度春学期号)」より、下記の記事を転載致します。

『高校英語』(2年) 『中学英語』(2年) 『中学英語』(1年)

担当 吉川 弘晃

 

 今や、学生時代に英語を習得することは、日本でも半ば当然のこととして見なされがちですが、英語を学べば学ぶほど、またそれ以外の特にヨーロッパの言語を学べば学ぶほど、英語の難しさを実感させられます。というのも、英語の文章を読むためには基本文法に加えて、非常に多くの熟語表現を暗記する必要があるからです。つまり、語学学習の肝は語彙の学習であるとよく言われますが、英語では特にその傾向が強くなるわけです。このことを踏まえ、私はどの学年の英語の授業でも、熟語表現の学習に重心を置いております。
 ここで大切なのは、言葉の学習で習得せねばならないのは「単」語ではなく、「熟」語だということです。これは日本語でも同じで、小学校の授業では漢字を一文字ずつ学ぶだけでなく、それらを2つ3つ束ねた熟語として学んでこそ効果があるわけです。英語の場合、いち早く覚えるべきは、askやthinkといった中学で習う基本的な動詞と前置詞(目的語があるかどうか)や動名詞(動詞がto不定詞を取る場合と意味は違うか)、不定詞(前にtoがつくかつかないか)などが結びつく熟語です(高校生以上は括弧内の文法事項の注意書きを例文を使って友達に説明してみましょう)。中学1年生は、1学期のうちは教科書に出てくる単語を1つひとつ覚えるので精一杯かと思います。しかし、中学2年生以上は、単語の組み合わせた熟語のストックを頭の中に作っていくことを意識して勉強してほしいと考えています。
 熟語の学習はインプットとアウトプットの両方を繰り返す、非常に骨の折れる作業です。単語帳やテキスト、問題集から単語をノートに写すのがインプットです。私は高校1年までこのインプットのみで満足していたため英語の成績は伸び悩んでおりました。日本語を英語に復元するアウトプットの作業がスムーズにできるようになって初めてその熟語を習得したと言えます。私は高校2年から、和文英訳の問題を解くだけでなく、添削してもらった解答を丸暗記することを繰り返すことで英語の成績が伸びていきました。アウトプットの機会は自分で作るだけでなく、皆さんの身近な場所に用意されています。中学や高校、さらには山の学校で行われる単語や英作文の小テストです。ここで死に物狂いになって満点を繰り返していくことが、語彙力上達への近道です。
 各学年の授業についてですが、高校2年のクラスでは、1年で習った英文法の事項を演習形式で復習しています。毎回、熟語暗記テストを行うことで語彙力増強にも努めています。中学2年のクラスでは、「アーサー王物語」の簡単な英文を訳読しながら、中学文法のドリル練習を行っています。中学1年のクラスでは、「イソップ寓話」の英文を読むために必要な基本的な文法と単語を授業とドリルの両方で学習しています。
 語学の近道は地味ですが、この道を少しでも楽しい花道にできるよう、最大限サポートさせていただく所存です。