『ラテン語初級講読C 』(担当:前川裕)

このクラスでは、セネカ「ルキリウスヘの手紙(倫理書簡集)」を継続して読んでいます。今学期は第36書簡から始まりました。最初から始めて、ところどころ飛ばしながらですが、順に読んでいます。お二人の受講生と、文法事項を確認しつつ、またすでに何度も出てきたセネカの概念について意見交換をしながら読み進めています。お二人とも遠方から来られていますが、毎週、予習の上で通われるその熱意には頭が下がります。

セネカの基本的主張は、世の瑣事からは引き下がって関わらず、魂を平静に保つことが大切である、と言う点です。またそのための修養を、比較的若い世代から始めることを推奨しています。第36書簡では、「若い時に備えをし、年をとった時に利用すべきである」という言葉も出てきます。人は年をとってから、「若い時にああすればよかった」と嘆きをもって振り返るものですが、このようなセネカの言葉こそ、今の若い人たちにも味わってほしいものだと思います。

一回分16行程度を1時間弱で読みますので、余った授業時間については、おまけの話をしています。古代の写本がどのようなものであるかという紹介や本文校訂の方法、またネット上に公開されている写本を読んでみる、といったことも試みています。現在の印刷されたテキストからは伺えない古代の本文事情についても、知っておくのが望ましい知識だと思われます。

次学期も引き続きセネカの予定です。初級講読は、初級文法修了程度(独学でも構いません)でご参加でき、参加者に合わせた進度を取りますので、興味を持たれた方はぜひご連絡ください。

(前川 裕)

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