ことば6年(マウントとジョージのお話)その2

前回その1からの続きです。 次はKちゃんの番です。

 ジョージにつれられて走っていたマウントは、ずっと考えていた。
「さっきの人は何者なんだ? 敵か? 味方か? あやしい…。だいたいこの時代にまほう使いはいたのか? ちょっとは気にかけろよジョージ。っていうか何でこんなとこにいるんだよ。映画の中ならカメラとか証明とかあるはずなのに、ないじゃないか。それともBH軍のしわざか? この前もタイムスリップさせられたし…あ、夢か? この前おじいちゃんが言ってた不思議の国の…ク、クリス? マリス? どっちでもいいよそんなの、みたいな…」
頭の中で考え込んでいたマウントは、とうとうジョージに言い放った。
「事件解決しに行くのもいいけど、やっぱりもとの世界に帰る努力をした方がいいんじゃないの? へんな人でてくるし、もしかしたらBH軍とかにねらわれてるかもしれないんだよ?」
でもジョージにマウントの説得は届かなかったようだ。
「何とつ然ねらわれてる~とか言ってんの? さっきの人だって親切だったじゃないか。事件のそうさ中に帰る方法も見つかるかもしれないし。まぁ、あんまり気にしないでよ。」
この言葉にマウントはカチンときた。
「じゃあ、そうさでも何でもしてろよ。とりあえずついて行ってやるけど、こっちはそうさなんかしない。帰る方法を見つけ出す。もうかまわないでくれ。」
「かまうもんか。」
二人は、そのまま現場へ向かった。目立たないように、裏に回ってから、「ナカニハイロードコヘデッモー」とじゅ文を唱えた。そして、二人の関係はピリピリとしたまま、事件現場を目の前にした。その光景を見て、二人は目を見開いた。
(Kちゃん)

*BH軍…ブラックホール軍。第1話に登場し、不可解な技術でマウントと地球軍を苦しめた。
「その3」へ続く。