百木です。こちらの報告も久しぶりに書かせていただきます。
秋学期の授業では、佐伯啓思『大転換』を読み切りました。内容的にもなかなか手応えがあり、受講者の方にも満足してもらえたようです。

冬学期の授業は、秋学期の授業と同じメンバーで授業を進めています。前回の授業では、雑誌『中央公論』2008年9月号に掲載されていた、竹中平蔵×山口二郎の対談「市場か、政府か、今こそ選択の時」を題材として取り上げました。おおざっぱな図式でいえば、竹中平蔵氏がいわゆる「小さな政府」(新自由主義)の立場、山口二郎氏が「大きな政府」(社会民主主義)の立場です。

この対談は、雑誌発売当時に読んだ時から、個人的には非常に良い(興味深い)対談だと思っていました。このように、左右両派の異なる意見・価値観をもつ論者がガチンコで対談する企画というのは、雑誌などの活字メディアでなかなか見かける機会が少ないからです。医療、労働、税金、政治などのテーマについて、それぞれの立場から丁々発止のやり取りが行われていて、大変面白いです。

どちらの立場が絶対的に正しいというのではなく、それぞれの論点について、対談を読んでどのように感じたか、何が語られていて何が語られていないのか、などについて皆で議論しました。授業での議論の質も高く、なかなか良い内容になったのではないかと思っています。

これもおおまかな図式でいえば、「低福祉低負担」を掲げる小さな政府派(竹中平蔵)か、「高福祉高負担」を掲げる大きな政府派(山口二郎)か、という対立点になるのですが、このうちのどちらが正しいのか、あるいはこの両極の間のどの点に妥協点を見出すのか、という辺りが議論のポイントになります。当然、どの社会問題を取り上げるかによってその最適点は異なってきます。今回も僕が一方的に教えるのではなく、受講者の方々それぞれの知識や意見を寄せ合って議論をする格好になりました。

またこのような題材が見つかれば、両側の意見や価値観を加味しつつ、クラス全体で議論してみたいなと考えています。

Share