0521 英語講読(ハリー・ポッター)

ハリーがロックハート先生のところでファンレターの返信を書く手伝いを終えてグリフィンドールの寮に帰ってきました。この寮という言葉の言語はdormitoryですが、原文ではこの語がもっぱら寝室だけを指すように用いられていました。その他の共有部分はcommon roomと呼ばれています。dormitoryを辞書で引くと確かに「共同寝室」といった訳が最初に出てきました。日本語の「寮」という言葉と若干ずれがあるように感じます。

 

8章に入りました。10月の初めということで寒くなってきて雨がよく降り風邪がはやっているといった描写がなされます。京都の同時期とは様子が違いますね。

 

風邪がはやっているのでポンフリー先生が大忙しです。彼女はmatronです。アメリカ版ではnurseとなっていました。matronだと品のよいという意味合いが含まれます。

 

雨が降ってもウッドのクィディッチへの熱情は湿らされず、ハリーは練習に励むことになります。フレッドとジョージによってスリザリンの情報がもたらされました。

 

the Slytherin team were no more than seven greenish blurs, shooting through the air like jump-jets.

 

no more thanという表現は受験英語でもおなじみですね。このnoはゼロだととらえると理解しやすいです。no more than ~は「~よりゼロ多い」ということなので、「~と同じ」ということになります。それがno moreということは多くないということなので「~しかない」という意味になります。ここでは「スリザリンのチームはジェット機のように空中を駆けて、7つの緑がかったぼやけたものでしかなった」という意味になります。

 

練習帰りにハリーはほとんど首なしニックに出会います。二人とも困り顔です。ニックは45回も鈍い斧で首を切られ、かろうじて頭と体がつながっているような状態になってしまったという経歴の持ち主です。首なし狩りに参加する資格がないという手紙をもらって落胆していました。

 

‘We can only accept huntsmen whose heads have parted company with their bodies. You will appreciate that it would be impossible otherwise for members to participate in hunt activities such as Horseback Head-Juggling and Head Polo. It is with the greatest regret, therefore, that I must inform you that you do not fulfil our requirements. With very best wishes, Sir Patrick Delaney-Podmore.’

 

この手紙は慇懃無礼という言葉がぴったりです。you will appreciate that…、it is with the greatest regret、with very best wishesといった表現からそう感じました。

 

ニックはこの手紙に怒っている様子で、手紙の主をSir Properly Decapitated-Podmoreと皮肉をこめて呼びました。日本語訳には出ませんが、本名と音が似ています。

 

ハリーがニックと会話していると、猫の鳴き声がしました。フィルチお付の猫であるミセスノリスの声です。フィルチの機嫌が悪いから早く立ち去ったほうがよいとニックから言われて、ハリーはそうしようとしますが、少し遅かったようです。フィルチにつかまってしまいました。泥を城の中に落としていたことを責められ、フィルチの部屋に連れて行かれます。

 

その部屋には拷問道具が備えられていたりしました。そしてフィルチはハリーの罪状と判決を所定の用紙に書き込み始めます。

 

とそのとき、ピーブスのいたずらによる大きな音が聞こえました。フィルチはそちらのほうへ行ったので、このまま自分のことを忘れてくれたらいいのにとハリーは思います。

 

一人部屋に残されたハリーは紫の封筒を発見します。そこには次のように書かれていました。

 

KWIKSPELL

A Correspondence Course in

Beginners’ Magic

 

初心者でもすぐに魔法を使えるようになるKWIKSPELLという通信教育の案内です。案内には体験談なども載せられていておもしろいです。

 

フィルチが帰ってきたところで時間になりました。物語の中盤で大きな展開はありませんが、細部も楽しめるように作られています。