福西です。今学期からよろしくお願い致します。

注:クラスの名前が「1~3年」となっていますが、実際には調整の結果、2年生のH君と、5年生のY君が来られています。その点ご了承ください。

さて、初回の授業では、絵の出る迷路を1題と、パズルに取り組んでもらいました。

DSC01251

(絵の出る迷路。『浮き出し迷路(1)』  学研から出題しています)

パズルは、2年生のH君には「足し算パズル」、5年生のY君には「ビルの見えるパズル」を出題しました。はじめてのパズル同士なので、ルールが分かるまでは二人とも頭をひねっていましたが、5問解いた後にはもう「何でも来い」という感じになっていました。20分ほどの集中には、「頭を使った」という達成感があったと思います。

 

さて、迷路について、生徒たちと次のようなことを考えました。

DSC01246 DSC01247

(左が「世界一簡単な迷路」。右が「世界一難しい迷路」(笑))

#もちろん壁の外から回り込むのは禁止とします。(「水平思考クイズ」ではOKですが)。

迷路は、スタート(入口)とゴール(出口)がないと作れないことは、みなさん周知の事実だと思います。

ですが、どんなに複雑な迷路であっても、その「作り方」からして、結局は穴が二つあって、その穴の間に、一本(ないしそれ以上)の道をつけることで、できていることがわかります。(迷路を水道管にたとえれば、その中を「水が流れてなんぼ」というわけです)。

DSC01248 DSC01249

(間をだんだん複雑にしていきます)

DSC01250

(スタートからゴールの道を、黒く塗りつぶして示すと、結局、黒い部分が迷路の正体とわかります)

ここでは、正解の道が一通りである場合だけで話をすると、その場合、途中のくねくねの違いはあるにせよ、「ピン」とまっすぐにすれば、結局はどの迷路も、「世界一簡単な迷路」と同じ仲間だと言えます。

DSC01246

(上の迷路も、黒い部分を引っ張れば、やっぱりこれと同じ。そして、これと本質的に異なるのが、穴が一つしかない「世界一難しい(厳密には迷路と言えない)迷路」です)

さて、ここで一つ疑問が浮かびます。

人間は、ごはんを食べます(でないと生きられません)。そして食べたものは、口から入って、食道を通り、胃袋を通り、小腸、大腸を通って、最後は便として排出されます。つまり、人間も一種の「迷路」となっています。

そこで、その迷路を紙にかいてみます。たとえば、こんな感じになります。

DSC01256

(キカイダーみたいですが…)

あれ、なんだか妙じゃありませんか? 食べ物の通り道によって、人間が切れてる!

たしかに、Aの部分(青色)と、Bの部分(赤色)は離れています。これでは人間は死んでしまうはずです。

なのに、私たちは実際、死なずに生きています。

でも、食べ物の通り道があることも(でないと死んでしまうことも)、確かです。

ということは、何が一体、上の「人の絵」を不思議だと思わせるのでしょうか? 

ということを、生徒たちに小一時間考えてもらいました。

 

問い:「上の紙に書いた人間は、なぜ死なないのか?」

(食べ物の通り道で、「絵の人間」は切れているのに、「本物の人間」は切れていないのはなぜか?)

 

それには、 実は「見えない部分」が省略されているということがヒントなのですが、はて、さて、それはなんでしょうか…?

 

すると、H君がまっさきに、「皮膚!」と答えてくれました。

そこで、生徒たちにはその「皮膚」に、よりくわしい説明を加えることをしてもらいました。これがなかなか難しいことでした。

けれども途中、Y君が「あ、分かったかも」と、ホワイトボードにある図を描きだしてくれました。

それは、キャビネット図法でかかれた、立方体の図でした。

「たぶんやけど、『立体』ってことじゃないかな!? こんなんたしか、4年生の時に習ったことがある」と。

お! と私は思いました。

「だって、見えてないものっていうのは、それは立体ってことで、平べったいってことと『違う』ってことちゃうんかいな」と。

「じゃあ、それに穴を開けたら、その立体はどうなるんかな? ちぎれるかな?」と私。

「ううん、そんなことない」と二人。

「じゃあ、穴を開けてみて!」と、そう促して、二人には鉛筆で箱に穴を開けてもらいました。

DSC01254 DSC01255

(そこらへんにあった箱たち(笑))

確かに穴を一つ開けた時点で、箱はちぎれません。でも最初の「人間の絵」は、一つの穴が通っただけで、上と下にちぎれてしまいました。その違いを、H君は「皮膚がある」と表現し、それに対し、Y君は「立体だから(奥行きがある)」と説明を加えてくれたのでした。勢いづいたY君は、

「そっか! 紙のかいた人間の方の『穴』は、本当は(立体に対しての)『トンネル』なんや!」

と、非常にうまい表現で、さらに言い直してくれました。それにはH君も「なるほど」とうなずいていました。

そうです。トンネルの周りには、H君が言うところの「皮膚」が、つまり、三次元方向につながっている部分があるのです。それが二次元の絵には描かれていない、と。

というわけで、謎が解けました。

その時の二人が、ほっこりと、「いっぱい考えた!」という表情をしていたのが印象的でした(^^)。

さて、最後に。箱(立体)を、トンネル(穴)で切断するには、どうしたらいいでしょうか。

それを実際に試してみたのが、上の写真の右側の箱です。

このように、「鉛筆の穴」(トンネル、線)を一列に並べて切るということは、「はさみ」(平面の切り口)で切ったことと同じになります。

Share