0306 英語一般講読(ハリー・ポッター)

空飛ぶ車でホグワーツに向かうハリーとロンですが、しばらくするとその旅にも飽きてきました。

 

toffeeのせいで喉が渇きますし、暑くもなってきました。それでハリーとロンはjumperを脱ぎます。このjumperがアメリカ版ではsweaterになっていました。確かにjumperにはセーターと意味があります。それでももしかすると上着かもしれません。秋頃のロンドンならどのような服装かと考えるしかありません。

 

暗くなってきてもうすぐホグワーツだというところで車のエンジンの調子がおかしくなってきました。ハリーとロンはそれを無視していましたが、とうとうエンジンが停止してしまいました。ホグワーツの方へ落下していきます。城壁に当たることは免れ、木の上に墜落しました。

 

そして何とその木が車を殴り始めました。もうどうにもならないというところで車のエンジンが復活し、難を逃れました。しかし車はもう限界だと言わんばかりに二人と荷物を放出して、遠くへ去っていきます。

 

このあたりは木が車を殴るわ、車が擬人化されるわで最初に読んだときは意味がわかりませんでした(結局文字通りの意味だったのですが)。あと、車とういことでは日本語で言うところのフロントガラスはwindscreen(英)、windshield(米)です。英語も米語も風よけという意味合いです。そもそも車が世に登場した時は今のような形ではなくて風よけに前面に透明な板をはめたのでしょう。

 

車から放出されたロンはこう言いました。

 

‘Can you believe our luck?’ said Ron miserably, bending down to pick up Scabbers the rat. ‘Of all the trees we could’ve hit, we had to get one that hits back.’

 

冒頭の「僕たちの運が信じられるかい?」の解釈に意見が分かれました。これを運がよかったと解釈するか、運が悪かったと解釈するかです。ここだけではどちらとも取れるので後半部を見ます。「僕たちが墜落したかもしれない木の中で、hit backする木に行き当たるなんて」と言っています。素直な解釈はhit backを「殴り返す」と取って、運が悪いと考えるものです。私は自分で読んだときには、hit backを「(元の本来の道に)打ち返す」と取って運がよいと考えていました。しかしやや苦しい解釈です。この部分はちょっと読みづらくはあります。

 

思い描いていたような凱旋ではないにせよ、二人は学校のほうに向かいます。外から見るとちょうど新入生の組み分けが行われているところでした。ちょうど一年前にハリーはこの組み分けでグリフィンドールに入ることが決まりました。当時からハリーはスリザリンが悪いところだと本能的に気付いていました。

 

先生方も会場にいます。マクゴナガル先生はbespectacledと描写されていました。「メガネの」といった軽い言い回しのようです。ダンブルドア先生やロックハート、ハグリッドの姿は見えましたが、スネイプ先生の姿だけが見当たりません。病気なのか、出て行ったのか、くびにされたのかと詮索しているとこのような声が聞こえてきました。

 

‘Or maybe,’ said a very cold voice right behind them, ‘he’s waiting to hear why you two didn’t arrive on the school train.’

 

何とスネイプ先生自身がそこにいたのです。そして彼の部屋へと連れて行かれることになりました。そしてスネイプ先生はこのように話を始めました。

 

‘So,’ he said softly, ‘the train isn’t good enough for the famous Harry Potter and his faithful sidekick Weasley. Wanted to arrive with a bang, did we, boys?’

 

「なるほど、有名なハリー・ポッターとそのお仲間のウィーズリーにとってはあの汽車は十分によいものではないのだね。バンと到着したかったんだろう?」といった意味です。私は、「そんなわけで、汽車はよくないものだったよ。というのも有名なハリー・ポッターとそのお仲間のウィーズリーがいなかったんだからね。バンと到着したかったんだろう?」と誤解していました。the famous Harry Potter and his faithful sidekick Weasley (wasn’t there)を補ってforを理由を導く接続詞だと無理に読んでいたのがその原因です。

 

さらにスネイプ先生は車で飛んできたことも知っていました。心を読まれているのかとハリーは感じましたが、実は目撃されていたことが新聞記事になっていたのです。貴重な木を傷つけたことも責められます。

 

ハリーとロンはグリフィンドール生なので、放校にする権限を持つグリフィンドールのマクゴナガル先生が呼んでこられます。ロンが長々と話し始めようとしたら、最初の部分で「どうしてふくろうで手紙を出さなかったの」と一喝されました。言われてみればその通りです。

 

というところで今回は時間になりました。