6/7 中学ことば

岸本です。

今日は、生徒さんが推薦した星新一の「ネチラタ事件」を読み、その続きを考えてもらいました。

「ネチラタ事件」は、ネチラタ菌によって悪口が丁寧な表現になった世界を描いた短編です。
免疫のため「普通」の感覚を持っている主人公の五太郎はつい丁寧な口調でしゃべってしまいますが、それが悪口に聞こえると気づいたところで、物語は終わっています。
推薦した生徒さんの要望もあって、その続きを考えてもらうことにしました。

物語中には、主人公の上司で、ネチラタ菌を作った安藤博士や、ネチラタ菌を直すタラチネ菌というものも登場しており、いろいろなストーリーが考えられるでしょう。
ある生徒さんは、タラチネ菌によって正常に戻った世界とネチラタ菌に感染して、そのままの安藤博士、そして五太郎のその後を描いていました。
別の生徒さんは、ネチラタ菌が治った後に、別の最近が現れるというオチを作ってくれました。

また、早めに仕上げた生徒さんには、ネチラタ症状にかかったという設定で、感想文を書いてもらいました。
悪口を意図的に使うというのは、学校では当然教えないでしょうが、案外難しいものです。
そのためか、生徒さんは、悪口というよりも方言として「ネチラタ」を捉え、表現にこだわって試行錯誤し、短い文ですが感想を書いてくれました。
なかなか面白い取り組みでした。

来週は、芥川の「猿蟹合戦」のその後を読んでみようと思います。