4/27 中学ことば

高木です。

今日は授業の前半で先週の自己紹介文の清書をしてもらい、
後半で次の取り組みに進もうと思っていたのですが、
いざ清書を始めると、
先週の互評や添削を参考にとても一生懸命に推敲を重ねてくれ、
結果的に1時間20分の授業時間すべてが清書の時間になりました。
良い意味で期待を裏切られることになりました。

清書用の原稿用紙をお渡しした瞬間から、教室は静かで、心地良い緊張感に包まれていました。
みんな一様に、文字をしっかりと丁寧に書いてくれました。
H君はひらがなを漢字に直していました。
A君は下敷きまで使ってくれていました。

おそらくA君が最初だったと思います。
最初の3行目あたりで清書の手を止め、少し考えた後、初稿にはない文章をつけ加え始めました。
見ていた私はその自発的な行動に感心して「うん、うん」と頷いていました。
すると、少し経ってK君が、「最初の作文にはない文章を付け足してもいいですか?」と質問してくれました。
「いいです」と答えると、「じゃあ僕も」とH君。
生徒同士が良い影響を与え合いながら、
自己紹介文をより完成度の高い、厚みのある文章にしていこうというムードが、クラスに漲りました。

普通は清書よりも初稿の方が、まったくの白紙から書き始めるぶん、時間がかかるものだと思います。
しかし今回はその逆で、清書に倍近くの時間をかけて、じっくりと推敲をすることができました。
そのことをみんなに伝えて褒めると、
H君は、「うん。僕もいつもは清書は早いけど、今日はちがう」と言ってくれました。
結果的に初稿に比べて原稿用紙の枚数を(生徒によっては何枚も)増やすことになり、
完成したときにはみんなそれぞれ「やり切った」という爽やかな表情をされていました。
最後に鉛筆の粉で黒ずんだ右手を見せ合う姿は、胸を打つものでした。