4/20 中学ことば

高木です。

今日は、先週書いた自己紹介文を発表してもらいました。
トップバッターはH君。
最初は少し照れくさそうでしたが、後半は、彼のハキハキとした声が活きてきました。
とくに、習っていた水泳のことと、好きな本について、詳しく紹介してくれました。
彼は「国語」が「大きらい」らしく「特に読書や漢字がきらい」なのだそうですが、
本当に読書が嫌いなら、好きな本(星新一『ボッコちゃん』)について、
あれほど詳しくあらすじを紹介できないと思います。
おそらく彼は、「国語」に対しては、実際に苦手かどうかというよりも、
〈苦手意識〉を持っているということが大きいのでしょう。
この「ことば」のクラスで、彼が自信をつけるのを応援したいと思います。

次に発表したのはA君。
彼は発表の際、ときどき原稿用紙から目を上げて、聴いているこちら側と目を合わせます。
また、分かりにくい部分は、原稿用紙の文語を口語に直し、
さらに、書かれていない言葉も即興でつけ足して説明を加えてくれます。
発表者としての意識、また、聴く側への配慮が、行き渡っていると感じました。
内容は、非常に多岐にわたるA君の好きなもの、それぞれについての、詳しい紹介でした。
彼もまた好きな本(乙一「幸せは子猫のかたち」、『失はれる物語』所収)について、
あらすじを紹介してくれていたのですが、言葉の流れがスムーズで、つい引き込まれました。
「…これではすいり小説になってしまうのでできれば読んで下さい」という言葉であらすじが中断されると、
続きがすごく気になってしまいました。今度読んでみようと思います。

最後は、K君が自己紹介文を発表しました。
昨年一年間の蓄えがある彼は、さすがというべきか、とても落ち着いて発表していました。
彼は今年の自己紹介では、頑張っている野球のこととボーイスカウトのことに話題を絞りました。
野球については、小学校の頃からやっていて、これからもやりつづけて、
将来は甲子園で野球をするのが夢だということを、
ボーイスカウトについては、ナイフを持つ許可が得られたこと、それでさまざまな工作ができることを、
それぞれ淀みない言葉で紹介してくれました。
体を動かすことがK君という人間の大事な部分を形づくっているということが、
彼の文章のテンポの良さ、力強さに表れていました。

それぞれの発表の後、上に書いたような感想を互いに取り交わして、
私が主に作文技術的な側面から自己紹介文を添削すると、
ちょうど終了時間になりました。
次回は清書をします。それから、次の単元に移ります。