福西です。

冬学期2回目は、百人一首をしました。(Mちゃんがお休みでした)

 

百人一首は、お正月が近いからということもありますが、お正月だけにするというのも、よくよく考えるとあまり親しみがないことなのかもしれません。

 

私自身の考えでは、こういう文化的なものには日頃から馴染んでおくことが、楽しみを生じるのだと思います。それなので、MちゃんやIちゃんたちが1年生だった頃に、私が受け持ったことばクラスでは、お正月でない時でもよく百人一首をしていました。ただその時はまだ「おちらし」がメインで、「ぼうずめくり」や「青冠」、「源平合戦」が多かったように記憶しています。

 

今年は、生徒たちが4年生になったということもあって、いよいよ本腰を入れ、またワクワクした気持ちも込めて、「競技かるた」のルールを説明しました。(Mちゃんが来られた時にも、また最初から説明します)。ここで言う「かるた」とは、もちろん百人一首のことです。またこのクラスでは、それまでの「漢字カルタ」の流れを引き継いで、そう呼ぶことにします。

 

この日はIちゃんお一人だったので、ルールの説明の後、マンツーマンで勝負をしました。私の方は、歌を読み上げてから(下の句を2回繰り返した後に)取るということにし、Iちゃんについては時々、決まり字を確認する質問は有りとしました。(その勝敗の結果はご想像にお任せします^^;)

 

実際の競技かるたでは、ランダムに選ばれた50枚を25枚ずつわけて両陣に配置し、その配置を覚える「暗記時間」というものがあります。ただそれには歌をすでに100首全部覚えていることが前提です。ですので、この日は、Iちゃんには「好きな歌は?」「友達になれそうな歌は?」とたずね、その歌について、前もって知識を入れておいてもらうことにしました。(でないと、暗記時間に何もできなくなってしまうので)

 

Iちゃんは開口一番、「星とか、月とか雲とか、空に関係する言葉の出てくる歌が好き!」ということだったので、それならこういう歌があると示唆したところ、「それむっちゃ好き!」「あ、これも!」と言いながら、色々と興味を持ってくれました。そして、「めぐりあひて・・・雲がくれにし夜半の月かな」(紫式部)や、「朝ぼらけ有明の月と見るまでに・・・吉野の里に」(坂上是則)などを、自分のレパートリーに次々と開拓していき、「この歌は絶対取るから!」という意気込みを見せてくれていました。

 

また「一字決まり」の札というものがあることも耳にするなり、積極的に「それはどれなん? 教えて!」と、「むすめふさほせ」の情報を仕入れていました。(そして「す」が出たらここ、「め」が出たらここ、というように、札の配置をおさえて、暗記時間を有効に活用していました。)

 

また、Iちゃんは、競技かるたははじめてにもかかわらず、札の配置の覚え方にIちゃんなりの工夫が見られました。「「秋」と言えば「わが衣手」、「春」と言えば「ころも」と覚えてるねん」と、天智天皇と持統天皇の歌を「四季」を符合にして覚えていたことには、とても感心しました。

 

「夢の通ひ路ひとめよくらむ」に至っては、「ゆめちゃんっていう友達はいる?」と聞くと、「うん、いる! だから、これもそれで覚えられそう」と、すんなりと馴染んでくれていました。このように、最初はごろ合わせでも何でもいいので、自分に関係のある物事にひきつけて歌札と友達になっていくことが、何よりの近道だと思います。(ちょうどあだ名を通して友達になっていくように)。

 

また、Iちゃんは、「先生はどんな歌が好きなん?」とたずねてきて、私が「夕暮れ」という言葉がある歌が好きということも聞き出していました。とりわけ、「むらさめの・・・霧立ち上る秋の夕暮」が得意札です。そこで、ふと私が「しかも「む」は一字決まりだから」とつい口をすべらせるなり、Iちゃんは目を光らせて、「じゃあ、それ取ってあげる!」と、取る気満々な様子(笑)。競技かるたでは、相手の得意札を取って、戦意を挫くことは、とても有効な作戦です。ですので、「それをぜひやってみたい」ということでした。(実際してやられました(苦笑))

 

今回は空札なしの40首に限定したので、ずいぶんと取りやすかったのではと思います。本当の競技かるたではこのようにはいきませんが、何事も最初からてっぺんまでジャンプすることはできません。もしこれで最初の興味を持ってくれたなら、あとは少しずつ自分の好きな歌を広げていくとよいと思います。次回はMちゃんとも一緒に、より一層楽しい時間になるのではないかと期待しています。

 

追伸

前回選んだ『青矢号』は、次回の楽しみに取っておくことにしました。

Share