ラテン語の夕べの感想

山下です。
12月のラテン語の夕べでは「音楽とラテン語」と題してお話をしました。
受講された方から次のようなメッセージをいただきました。

Inter arma silent Mūsae. ・・・今年を振り返り、戦地を思うと、まさにこの言葉どおりであろうと想像します。
一方で、この言葉をつぶやくことは平和と芸術を信じることでもあるように思います。
先日、ヘンデルのメサイアを聴きました。満席のコンサートホール、自由を感じるすばらしい演奏(by バッハ・コレギウム・ジャパン)。
大勢のお客さんと音楽の喜びを共有できて感動しました。先生のおっしゃったErgo cantemus!が始終心に浮かんでいました。この言葉は座右の銘になりました。
今年もおかげさまでラテン語を学ぶことができ、また「ラテン語の夕べ 」によって視野が広がったように感じます。

私も勇気づけられるメッセージです。

inter arima silent Musae.とは「戦争のあいだムーサ(=芸術の女神)は沈黙する」という意味です。戦争の前に芸術は無力だという言葉です。それに対して、Ergo cantemus.とは「だから歌おうではないか」という意味で、私が付け加えたラテン語です。Ergo bibamus.(だから飲もう!)をひねったものです。無力だ、だから沈黙する、ではなく、無力かもしれない、だからこそ、同志が集い、歌うことに意味があるのだと思います。

クラシック音楽が明治以降日本に根差しているように、人文学のクラシックス(the classics)に親しむ人が今後一人でも増えることを切に願っています。