福西です。

『赤毛のアン』(モンゴメリ、村岡花子訳、新潮社)を読んでいます。

p120~134、第10章「アンのおわび」を読みました。

マリラから「一晩考えなさい」と言われた、翌朝。

アンはまだ自室にこもっていました。寝るとたしかに気は静まりました。ですが、「リンド夫人に謝るぐらいなら、ここにずっと閉じ込められていた方がまし」だと言って、部屋から出ることはありません。

Breakfast, dinner, and supper were very silent meals—for Anne still remained obdurate.

朝食、昼食、夕食はとても静かなものだった。アンがまだ強情を張っていたから。

アンがいないと、食事時がまるでお通夜のようです。ここで読者は、「家の中が以前とはもう見違えるよう」という、前章のマリラのセリフを思い出します。その状態から、グリーン・ゲイブルズはまたもとに戻ったのです。

マシューは、マリラに内緒で介入します。アンは「お前がいないと寂しい」と言われて、態度を軟化させます。

アンが「謝りに行く」と言うと、マリラは内心ではとても喜びます。ですが顔には出しません。

レイチェル・リンドの家へ行く道中、アンはいいことを思いつきます。想像力を駆使し、徹底的に謝ることを楽しもう、と。まるで女優のように。

マリラは、奇妙なことになってきたと、うすうす感じつつも、黙ってアンのすることを見守ります。

人のいいリンド夫人は、大げさなアンの謝罪を演技とはちっとも見抜けず、心を動かされます。そして「赤毛がブロンドに変わった例を知っている」と、アンに希望を与えます。アンはこれに対しても大げさに喜び、リンド夫人のことを命の恩人のように持ち上げます。気をよくしたリンド夫人は、アンに庭の水仙を摘んで帰ることを許します。そしてアンが「面白いキャラクター」だということを認めます。

そんなこんなで、一難が去ったのでした。

マリラはこの時も(アンがリンド夫人に暴言を吐いた時と同様)、面白く感じている自分を、罰したいような、複雑な気持ちになります。

 

この章は、大きな出来事が二つあります。一つは上述のアンとリンド夫人の和解。そしてもう一つは、アンがマリラの手をつないだことです。

(その2)へ続きます。

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