山下です。
15日(土)に「アエネーイス」の講読を行いました。

第2巻の次の箇所から20行ほど読みました(2.189-208)。

189-191
nam sī vestra manus violāsset dōna Minervae,
tum magnum exitium (quod dī prius ōmen in ipsum 190
convertant!) Priamī imperiō Phrygibusque futūrum;

じっさい、あなた方がミネルウァへの捧げ物に狼藉を働くなら、
そのときこそ、最大の破滅が――この予兆を神々は真っ先にあの男に 190
与えますように!――プリアムスの王国とプリュギア人に及ぶだろう。

このうち190 ipsumについて、注釈はカルカース、すなわち、伝聞内容の語り手自身を指すととっていますが、私はウリクセースだと思いました。この挿入句はトロイア人の共感を呼び、シノーンの嘘をもっともらしく見せる演出ととらえることができるため、挿入句の語り手シノーンが破滅(exitium)をもっとも望んだ相手とは、カルカースでなくウリクセースと考えられます。

さらに、189 violāssetは162-168で示されるウリクセースとディオメーデースによるパラディウム(ミネルウァの像)強奪の経緯を暗示している点もポイントです。

<逐語訳>
じっさい(nam)もしも(sī)あなたがたの(vestra)手が(manus)ミネルウァへの(Minervae)贈り物を(dōna)冒涜してしまうなら(violāsset)そのとき(tum)大きな(magnum)破滅が(exitium)──その(quod)凶兆を(ōmen)神々が(dī)真っ先に(prius)彼自身(ipsum)に(in)向けますように(convertant)──、プリアムスの(Priamī)領土(imperiō)と(-que)プリュギア人に(Phrygibus)存在するだろうことを(futūrum )(カルカースは予言した)。

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