『王への手紙』を読む(西洋の児童文学を読むA、2022/2/24)

福西です。

『王への手紙』(トンケ・ドラフト、西村由美訳、岩波少年文庫)を読んでいます。

2章「5 灰色の騎士たち」を読みました。

白い盾の黒い騎士(エトヴィネム)と同じぐらい重要な人物である、角笛を持つ灰色の騎士(リストリディン)が登場しました。彼は後にティウリの仲間になります。

黒馬(アルダンヴェン)を失ったティウリは、たまたま、以前の追いはぎが別の獲物を襲うところを目撃します。しかしその獲物は、灰色の騎士でした。あべこべに、騎士は追いはぎを圧倒し、逃げた者たちも捕まえます。そして追いはぎの頭が黒馬に乗っていたことから、青い目をした青年のことを問いただします。

隠れているティウリは、自分のことが話されていると気づきます。しかし危険を感じて出て行きません。

案の定、騎士は言います。青い目の青年は「殺されてもよいほどの者だ」と。ティウリはてっきり、灰色の騎士が、赤い騎兵たち同様、手紙を狙っていると思います。この時はまだ知る由もありませんが、ティウリは白い盾の黒い騎士を殺した犯人だと疑われているのでした。

敵の多さに、ティウリの心はくじけそうになります。そこでふと彼は思いつきます。もし手紙の内容を見れば、旅の理由が明確に得られるのではないかと。

しかし結局、彼は手紙を開けませんでした。白い盾の黒い騎士と約束した、自分の言葉を思い出し、それで十分だと思ったからです。

 

受講生の要約です。

S.K君

ティウリは、丘の洞穴で休んでいた。ティウリは、丘のふもとで昨夜の追いはぎたちが一人の騎士をたおすためにかくれているのに気づく。騎士は、5人の追いはぎに囲まれるが、追いはぎを圧とうし、しばりあげ、追いはぎから情報を得る。騎士はティウリを探し、つかまえようとしている。

Y.Y君

追いはぎからはなれたティウリは、洞穴で休んだ。するとおいはぎたちが下で灰色の騎士にティウリにしたおなじことをしていた。すると騎士たちはティウリは殺してもよかったといっていた。ティウリはかなしみ、手紙をあけようとするが、まだあけなかった。

H.Fさん

ティウリは指輪をはずし、首にかけた。暗い森を手さぐりで進んだ。それいじょう歩けなくなったところで地面にたおれ、ねむりこんだ。朝早く目をさますと、水を飲み、根っこを手に、洞穴に入った。ティウリはきゅうくつなしせいのまましばらくうとうとした。が、人の声におどろいて目をさます。

追いはぎの仲間が外にいた。男が二人やってくる。頭が、かくれさせる。東のほうから騎士が一人馬に乗ってやってきた。ティウリは騎士をたすけようとするが、騎士には仲間がいたから大じょうぶだった。追いはぎはにげたが、つかまえられた。追いはぎと騎士たちの会話から、馬の名前はアルダンヴェンということ、騎士がティウリを知っていることを、ティウリは知る。

ティウリは手紙をあけるかまようが、あけなかった。