『ギリシャ語初級講読』Bクラス便り(2022.02)

山びこ通信2021年度号(2022年2月発行)より下記の記事を転載致します。

『ギリシャ語初級講読』B

担当 竹下 哲文

昨年春学期から開始したギリシャ語初級講読Bでは,引き続き A.E. Hillard & C.G. Botting, Elementary Greek Translation, London: Duckworth, 1982 [orig. publ. London: Rivingtons, 1923] を受講生1名と共に読み進めています.本書は前400年までの古代ギリシャの歴史を題材にした55の短いテキストから成っており,本稿執筆時点では,プラタイアイの戦いを扱った32課を読み終えたところです.

また,「読解と併せて作文もしてみたい」受講生の希望もあり,学期の途中から同じ著者による Elementary Greek Exercises, London: Duckworth, 1981も併用しています.本書は,英語からギリシャ語への平易な短文の翻訳問題を多数収録しており,作文によく用いられるNorth & Hillardの Greek Prose Composition の前段階にあたるものと位置づけられます.実際にギリシャ語の単語を自ら変化させることで,読解のときの語形の分析とは逆の方向から,文法知識の一層の定着を図っています.こちらは,本稿執筆時点では,第15課に入ったところです.

授業はZoomを用いた遠隔実施という形態をとっています.通常の対面授業とは勝手が異なり当初は戸惑う面も少なくありませんでしたが,慣れてくると画面共有を用いて色々な資料を示しながら授業を行うことができるなど便利な点もあることがわかってきました.関心のある方は一度お問い合わせください.