『リンゴ畑のマーティン・ピピン』を読む(西洋の児童文学を読むC、2021/11/4)

福西です。

第1話「王さまの納屋」の、受講生の要約です。

第1話 王さまの納屋

要約/Y.M.

王さまは、ただ一つの財産の納屋で生活している。だが、暮らしがたいくつになり、老馬ペパーに乗り、納屋を出る。

たどり着いたハト宗で、宗の入門の秘術をすることにする。途中、ペパーの金ぐつが無いことに気づく。王は、お金が無いので、鍛冶屋で仕事を手伝うことになる。

一週間がたち、金ぐつらしいものが作れるようになる。王は、ペパーの足からルビーを発見する。大金持ちになったが、秘術をするため、大きな丘に向かう。その素晴らしい大地に王は喜ぶ。それから、秘術を始めた。王は池で月の様なむすめを見る。

次の日からは、鍛冶屋の若者からきびしく仕事を教わった。王はまたペパーの足から真珠を発見する。そして秘術の日が来ると、同じ場所へ向かった。そこには、前のむすめがいた。むすめの美しさは王が現実を忘れるぐらいだった。

王は必死に働き、ペパーの足から、ダイヤモンドまで発見する。秘術中に池に現れたむすめは、力強く、両者とも動かず見つめ合う。すると、むすめの方から「いとしいひと」と言ってくる。しかし、王は逃げだす。

翌朝、仕事にとりかかる。若者は、王の金ぐつの良い出来を見ると、投げすててしまう。若者は後悔し、王にあやまる。さらに王は、ペパーの足からオパールを発見する。4度の秘術を終える日に、王はむすめに会ったが、そのまま離れてしまう。王は、「待ってくれ」と叫び、探しまわった。だが、見つからず、全てを失う思いだった。

日がたち、池で闇の中からむすめの声を聞く。その声は、鍛冶屋の若者であった。むすめは王の女になった。

それから、王に今までのことを話す。むすめは、ヴァイオラと名乗った。父が死んでからのこと、大おばにはみを作って、鍛冶屋を勧められたこと。そして(女だと気づかれないように)若い衆になり、週に一度、水をあびていたこと。王がケーキに目もくれなかったり、金ぐつができると困るので機嫌を悪くしていたこと。初めて会ったときに、金ぐつをなくした王の様子に好きな人がいると思い、心配になったのがきっかけだったことを話す。

二人は下界へおり、まず、ペパーの金ぐつを完成させる。納屋に帰る途中、失くした金ぐつを見つけていく。それぞれの宝石を取りだし(三つの宝石で領地を買い戻し)、おどり、祈り、おさめることにする。はじめ、うらない女の大おばに言われたのと同じだった。最後にオパールは、大切に守ると決める。王は、鍛冶工として働く。晩ごはんは、ヴァイオラの作ったウェディング・ケーキになった。それは、王と出会ってからためてきたケーキで作られていた。

「月の様なむすめ」「王が現実を忘れるぐらい」「全てを失う思いだった」が、作品のロマンチックな気分を申し分なく伝えています。もし私が話を知らずにこの要約を読んだとしたら、さっそく作品を読んでみたくなるように思いました。

次の要約も楽しみにしています。