『はらぺこオオカミがんばる』を読む(ことば3~4年2021/6/1)

福西です。

『ポリーとはらぺこオオカミ』シリーズの2冊目に入りました。

『はらぺこオオカミがんばる』(ストー、掛川恭子訳、岩波書店)です。

1章は、「かしこいオオカミとおばかさんのポリー」です。

これは前作の「かしこいポリーとおばかさんのオオカミ」の本歌取り(パロディ)です。

「まったく、しつれいしちゃうよ。」

オオカミは、ぶつぶつもんくをいいました。

『かしこいポリーとおばかさんのオオカミ』という本を手に入れたオオカミが、ひとりごちます。

そこで、自分はポリーとオオカミを入れ替えた題名の作品を執筆します。

「ある日、かしこいオオカミは、ポリーをつかまえて、頭から、くってしまいました。」

うーん、くしゃくしゃ、ポイ。

それから、自分はいかにかしこいオオカミであるか、ということを(ポリーを含めた)読者に知らしめるために、自伝のようなものを書きはじめます。

「わたしは……すみごこちのいい大きなあなの中で、生まれました。生まれた年は……」

そこで、筆がハタと止まります。

自分の生まれた年はいつだろうか、と。

オオカミは、いつぞやに買いためた豆缶をひっくり返して、数を数え始めます。

けれども1957年という数字を作るためには、豆が足りません。

結局豆を食べただけに終わり、オオカミはこう書き終えます。

「ありがたいことに、わたしは生まれたのです。」

と。