『モモ』を読む(西洋の児童文学を読むB、2021/6/11)(その2)

福西です。

受講生による、『モモ』の全体のまとめです。

O.W.さん

小さな円形劇場の廃墟にモモという女の子が住みつく。モモには、家族はいないが、円形劇場あとで出会ったジジ、ベッポ、子供達と親しくなる。

モモが子供達と遊びなれたころ、人の時間をぬすむ灰色の男が現れ、大人達の生活は一変する。ジジやベッポと離れてしまったモモは、30分先の事は分かるカメ「カシオペイア」に連れられて《どこにもない家》にたどり着いた。そこでモモは、時間の花を持ち、全ての人に時間をくばるマイスター・ホラと出会う。仲の良かった子供達までうばわれたモモは灰色の組織の目的を知る。カシオペイアとモモは、灰色の男達にあとをつけられながらも再び《どこにもない家》にたどりつく。

マイスター・ホラと話し合った結果、時間の未来をたくされたモモは、見事灰色の男に勝ち、幸せな時間をとりもどす事ができた。

S.K.君

都会のはずれの円形劇場に住みついたモモは、近所に住む人々と交流を深める。モモは素晴らしい聞く力を持っていて、友人の悩みを解決に導くことができた。また、子供たちの遊びをより楽しいものにできた。親友の道路掃除夫ベッポと観光ガイド・ジジを筆頭に、モモはみんなの心の中心となっていった。

そんな彼らの住む町に、時間どろぼうの灰色の男たちが姿を現す。巧みな話術と冷気で人々から時間をむしり取っていく。目立たない彼らから生きることそのものである時間を奪われた人々の心は殺伐としてくる。その影響はモモの友人にも及ぶ。ベッポとジジを除く大人たちは、次々とモモの所へ「暇が無い」と言って来なくなった。ある時、モモは灰色の男の訪問を受ける。モモは、友人とのかかわりを断ろうとする彼に灰色の男たちの秘密をしゃべらせる。何とかして「灰色の男がみんなの時間を盗んでいる」という事実を伝えようとするが、モモや子供たち、ベッポとジジの努力も実らなかった。危険人物として灰色の男に追われるモモはカメのカシオペイアに導かれ、時間を司るマイスター・ホラの所へ行く。ホラの元で時間の花を見て、時間とは何かを知ったモモは、一年間眠ったのち、元の世界へ戻ってきた。

しかし、モモの友人たちは子供も大人も一人残らず灰色の男たちの支配下にあった。モモは相変わらずたっぷり時間を持っていたが、ホラの所へ行きたいと思う灰色の男たちの策略により一人ぼっちだった。一人ぼっちのモモは時間を恨めしく思うが、灰色の男と談判する直前に、「みんなを救うのは私だ」との意識が芽生え強気になる。ホラからすべての時間をもらいたい灰色の男たちの要求を突っぱねたモモは、旧友を探す間にはぐれていたカシオペイアと再会する。カシオペイアとモモは灰色の男たちの静かな追跡を受けつつホラの所へ向かう。追跡の甲斐あってホラの住む「どこにもない家」を包囲した灰色の男たちは、時間に毒を含ませようとする。危機を打開すべく、ホラは眠り、時間を止めた。一輪の時間の花を持ったモモは、死んだ時間で生きる灰色の男たちを追う。時間の補給がストップしたと気づき焦る灰色の男たちは、自滅していった。モモは時間を解放する。人々は心にも時間にも余裕ができ、新しいはじまりを迎える。

H.A.さん

大都会のはずれにある円形劇場の跡に、「きく力」を持つ少女、モモが住みつく。モモは「きく力」により、友だちの悩みを解決していく。とくに仲が良かった、ジジ、ベッポ、子どもたちとは、毎日遊んだり、語り合ったりする。そんな中、灰色の男が現れ、人々の時間を盗む。モモは気づかないが、彼らの邪魔をし、怒りをかう。男の一人がモモの元を訪問するが、モモに秘密をしゃべるという残念な結果を残して去っていく。それにより彼らの目的を知ったモモの元に、不思議なカメ、カシオペイアがやってくる。彼女に「ツイテオイデ」と言われたモモは、「どこにもない家」でホラと出会う。時間の源であるこの家には、時間の花が咲いている。モモはそのことを伝える言葉が熟すまでの一年、眠る。が、その間にモモの友達は全員男たちにとりこまれ、モモは言葉を伝えることができない。

もう一度、モモはホラの元へ向かうが、灰色の男たちにつけられる。男たちは「どこにもない家」を包囲し、ホラを脅迫する。そこで、モモたちは計画を立て、行動に移す。ホラが眠る。時が止まる。灰色のどろぼうは混乱し、逃げながら数を減らす。男たちのあとをつけたモモとカシオペイアは見事、アジトを見つけ、侵入する。モモが時間貯蔵庫の扉を閉めると、男たちはモモを追う……が、自滅する。モモは再び扉を開ける。自由の嵐が人々に元の生活を送り届ける。モモも友達と再会する。

一方、ホラの元に帰ったカシオペイアは、私たちに告げる。

「オワリ」と。