『ポリーとはらぺこオオカミ』を読む(ことば3~4年2021/5/18)

福西です。

『ポリーとはらぺこオオカミ』(ストー、掛川恭子訳、岩波書店)の5章「七ひきめの子ヤギ」を読みました。

今回は、ポリーがミスをします。

オオカミだと思って、本物のお母さんを玄関前に長時間待たせてしまいます。

「おねがいだから、はやいとこ、あけてちょうだい。でないと……」

重たい買い物袋を提げるお母さんの声が怒気を帯びたあと、玉子パックが落ちて、つぶれる音がします。お母さんはまた玉子を買いなおしに玄関を去ります。

そこへちょうどオオカミがきたので、ポリーは確かめずにドアをあけてしまったのです。

ところが、ポリーはそこから挽回します。

「ねえ、オオカミさん、あなた、そのお話、そのあとどうなるか、さいごまでよんだの?」

「いや、よんだのは、オオカミが、六ぴきの子ヤギをたべたところまでさ。そのあとどうなったかなんて、どうでもいいからね。」

「じゃあ、あのオオカミがそのあとどうなったか、しらないのね。ということは、あなたがあたしをたべたらどうなるかも、しらないのね。」

これを聞いて、オオカミは不安に襲われます。

それからポリーの話す『七ひきの子ヤギ』の結末に、オオカミはとうとう「うわぁ!」と悲鳴をあげて逃げだします。

「たまごだ。」

と、玄関で立ち止まったあとで。パニックの最中に一瞬「素にもどる」オオカミが、なんともファニイでした。

 

落語と同じで、オチが分かっていても、何度も読んで楽しめる一話だと思います。

読んだ後は、いつものようにプリントで内容を確認しました。