山びこ通信2020年度号(2021年3月発行)より下記の記事を転載致します。

『イタリア語語入門』『イタリア語講読』

担当 柱本元彦

 イタリア語入門クラスと講読クラスを担当しています。入門クラスに参加していらっしゃるのはイタリア留学を計画している中学一年生と彼女のお母さまで、いつもとは違った対応をしなくてはならないのが、難しくもありますが新鮮でもあります。最近は大学でも英語の基本文法を前提にできないケースがあり、やり方を見直す機会かなとも思っています(英語の基礎力のない大学生を認めるのはマゾヒスティックな気もしますけれど)。イタリア滞在経験者のお母さまの質問には時折たじたじとなりますが、このフォローがまたペースの調整にもなって、暗中模索ながらなんとか進めているところです。順調にいけば、もうすぐ人称代名詞・近過去・半過去の山を越えることができ、そうするとさまざまなシーンに立ち向かえる幅がぐっと広がります。ただ何よりも励みになるのが現地を体験することですから、いつイタリア旅行ができるのかも分からないコロナ状況は辛いですね。

講読クラスは、前回の初級クラスのもち上がりです。初級クラスでは比較的易しい短編集を読みながら文法事項を確認していきました。講読クラスのテクスト選択に遠慮はないのですが、まだ初級あがりですから、センテンスが短く会話に近いものがいいかと思い、たまたま入手した近刊、昨年亡くなった音楽家エンニオ・モリコーネに映画監督ジュゼッペ・トルナトーレがインタビューしたものを選びました。けれども会話文には会話文の難しさがあり、より多くのコンテクストを想像しなくてはなりません。モリコーネにはセンチメンタルな映画音楽の作り手というイメージがありますが、そうではなく、ニーノ・ロータにも比べられる立派な作曲家です。彼が考えてきた事柄と彼をとりまく時代・人々とが織り込まれた文章は、なかなか読みごたえがあり、音楽にも詳しい受講生N氏の解説も頼りにしながらゆっくりと進めています。

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