福西です。
『アエネーイス』をいつものように読んだ後、A君が話したことが印象に残ったので、記しておきます。
A君曰く、
「歴史学が人間をテーマとする際、『人間は進歩しない』というのが定説としてあります。しかし私はあえて次の点で逆説を述べたいのです。過去に許容された残酷な行為があります。それを現代で行えば、到底許されないこととして非難されます。とすれば、人間は倫理観の点で進歩していると言えるのではないか。そんなことを最近、私は考えています」
と。「なるほど!」と首肯しました。
【追伸】
A君が、志望校に合格したと報告してくれました。
実は、試験の前日にも関わらず、「西洋古典を読む」のクラスにはA君の姿がありました。そのような「AもBも」というバイタリティーに脱帽です。A君、心からおめでとうございます。