福西です。

この日から、『小公女』(バーネット、高楼方子訳、福音館書店)を読み始めました。

時代背景を少し説明した後、第1章の「セーラ」を読みました。

この章では、陽気と陰気、インドとイギリス、父親とミンチン先生、まごころとうわべが対比されていました。

セーラ・クルーは、七歳までインドに住んでいましたが、父親に連れられ、イギリスの寄宿学園に入れられます。父親は仕事のためにインドにすぐ戻らなければなりません。

寄宿学園の校長のミンチン先生は、セーラを金持ちの娘として歓迎します。セーラは、ミンチン先生を心の冷たい人だと見抜きます。また父親との別れをこわがりますが、父の職業である軍人になったつもりで、がまんします。

セーラは、本が好きで、空想をよくします。変わったことを大真面目に言うので、父親を笑わせるのが常でした。そんな娘との別れを父親はさびしがりますが、わざと陽気にふるまいます。セーラにもそれが分かっています。

セーラは、エミリーという空想上の人形を探しています。偶然、街中でそれを見つけ、手に入れます。

脇にすわったエミリーも、同じように馬車を目で追っていました。

──『小公女』(バーネット、高楼方子訳、福音館書店)第1章

父親を乗せて去る馬車を、セーラはエミリーと一緒に見届けます。この人形は、のちにセーラの心を物言わず支えることになります。

次の表現がとりわけ印象的でした。

ミンチン先生の、大げさで冷たいほほえみ(p19)

「まるで王女様のお仕度だからね。」(p26)

この作品の題名(A Little Princess)の「王女様(プリンセス)」という言葉を最初に使ったのが、セーラではなく、ミンチン先生であることを確認しました。

さて、この時のセーラには想像もしなかった、辛くひもじい日々が、このあとを待ち受けています。それを耐えるよすがが、本で培った空想と想像の力でした。読むことで応援したくなります。

先に読んだエンデの『はてしない物語』では、主人公は本好きの少年でした。今回は本好きの少女。別の角度からの味わいがあります。ぜひお楽しみに。

 

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