「クマのプーさん」を読む(ことば5~6年2020/7/2)

福西です。

『プー横町にたった家』(ミルン、石井桃子訳、岩波少年文庫)の「8 コブタが、とてもりっぱなことをするお話」を読みました。

この作品は、前章(や前巻)とのつながりをゆるく保ちながら、各章が短編として構成されています。それぞれオチがあって面白いのですが、やはり通読すると味わいが層になります。

いつものように、プーとコブタが、とっぴな思いつきで、百町森の動物たちをたずねていきます。今回は、フクロの家が舞台です。大風の吹く日で、フクロの家が木ごと倒れ、プーとコブタが家の中に閉じ込められてしまいます。玄関が天井になり、コブタがその新しい天井の「郵便受け」の穴から外に脱出します。あたかもコブタが「HELP!」の手紙になって、外に出ていくかのようです。その顛末が、ユーモアたっぷりに語られています。

前作『クマのプーさん』から読んできたこのシリーズも、残すところ、あと2章です。

毎週思うことですが、この作品のウィットには、大人になってから読んでこそ味わい深いものを感じます。受講生たちにも、いつか読み返す日が来ることを願っています。

次に読む作品は、受講生の希望もあわせて、『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』(斎藤淳夫、岩波少年文庫)になりそうです。

このクラスの受講生には、動物が主人公の作品にシンパシーがあるようです。他に推した作品よりも、「これがいい!」と期待を寄せてくれました。この作品は、文句なしに、読みごたえがあります。もし読めたら、(私からはもう)何も言い残すことはありません。きっとよい卒業記念になることでしょう。特に「イタチとの戦い 第一夜~第四夜」は圧巻です。

これを読むことのできるクラスが実現することに、私自身もワクワクします。チャレンジしてみましょう!