『西洋近代思想の古典を読むA』(2019/12/12)

谷田です。今回は、國分功一郎『近代政治哲学』の第2章まで(封建国家、ボダン、ホッブズ)を読みました。新書ではありますが、個々の思想家についての適切な要約というよりも、現代まで続く「主権」の概念について起源から探り解き明かそうという野心的な著作だと感じました。

現代では、「国民主権」「人民主権」という言葉で“清潔”なイメージがもたれている「主権」の概念が、血みどろの宗派内戦から生まれたもので、君主に対するあらゆる反抗を上から抑えつける機能が期待されていたとする箇所などにそれが表れていると感じました。

次回(1月9日)は、3~5章(スピノザ、ロック、ルソー)を読む予定です。