「クマのプーさん」を読む(ことば5~6年、2019/12/5)

福西です。冬学期もよろしくお願いいたします。

『クマのプーさん』(ミルン、石井桃子訳、岩波少年文庫)、「4 イーヨーが、しっぽをなくし、プーが、しっぽを見つけるお話」を読みました。

この回から、イーヨーとフクロが登場します。

イーヨーは、ロバのぬいぐるみから作られたキャラクターで、自身の困りごとを打開する知恵もなければ意欲もありません。そのくせ頑固で、ぶつぶつ言いで、よく人のせいにします。「どうせわしなんて」とひがんだり、挙句に世をはかなんだり、ありがとうと言うにもちょっと屈折しています。

しかし、プーの世界の住人たちはそうした他人の欠点を非難したり改善してもらおうと働きかけたりはせずに、「そっとしておいてあげる」か「よかったら、お手伝いします」というようにふるまいます。

第2話はプーの食い意地の話でしたが、それについてウサギが何も言わなかったように、プーも、イーヨーやフクロの欠点に対し、閉口するだけで文句は言いません。そこが読者にはくすっとなるところだったりします。

以下は、受講生の要約です。

Tomoya君

『イーヨー、しっぽをなくす』

ある日、プーはイーヨーに会うと、イーヨーのしっぽがないことに気づきます。そこで、プーはイーヨーのしっぽを探す旅にでます。そこで、プーはフクロの家に行き、どうすればいいか聞くが、言葉が難しすぎてプーはてきとうに答えてたら、フクロにもう一度看板を見ろと言われ、見てみると鈴ひもがイーヨーのしっぽだったのです。そこで、プーはフクロにしっぽをかえしてもらい、クリストファーがしっぽを打ちつけたのです。

Kyosuke君

プーが森で歩いていると、イーヨーが悲しそうにしていたので、プーが「どうしたの」と聞いてみると、「しっぽがなくなったんです」といいました。その話を聞いたプーは「ぼくが、さがします」といい、いろいろなところを歩き、フクロのところへいきました。

外にはってあるはり紙を見て、それで戸たたきやベルなどを鳴らしたら、フクロが出てきて、イーヨーのしっぽがなくなったことをつたえると、「森中にはり紙をはりましょう」とフクロがいいました。それでいろいろな話を聞かされ、外のはり紙を見ましたかと聞かれました。プーは話がよく分からなかったので、いいえと答えました。それでフクロにつれられ、はり紙などを見ました。ベルについているものがどこかで見たような気がして、思い出しました。それはイーヨーのしっぽでした。フクロにかえしてもらい、クリストファー・ロビンにくぎで打ちこんでもらい、イーヨーは元気をとりもどしました。

『西遊記』の時の要約よりも筆が進むようで、のびのびと書いてくれているように感じます。その調子です。

それではまた来週。