西洋古典を読む(中高生)(2019/12/4)

福西です。

ウェルギリウス『アエネーイス』(岡道男・高橋宏幸訳、西洋古典叢書)を読んでいます。

第3巻に入りました。146行まで読みました。

トロイアを出発したアエネーアス一行は、親戚を頼ってトラーキアに着きますが、トラーキア王がすでにギリシャ側に寝返っていることを知り、その地をすぐ離れます。次に父アンキーセスの友人を頼って、デーロスへ向かいます。そこで、新天地についての神託を得ます。「いにしえの母を求めよ」と。アンキーセスはそれをクレータのことだと解釈し、さっそく一同はクレータに向かいます。そして町づくりを始めます。しかし疫病が発生し、神託の解釈が間違っていたことに気付くのでした。

 

中学2年生のA君に続いて、1年生のK君が新しく参加されました。

A君からK君に、これまでのあらすじを説明してもらいました。

その説明では、現在地はカルターゴーであること、そこでアエネーアスがディードーに乞われてトロイア陥落とそれ以降の出来事を語っていること、その構造が『オデュッセイア』に範をとっているということが強調されていました。

K君はギリシャ神話(『イーリアス』『オデュッセイア』を含む)について、本で一度読んだことがあるそうです。それなので、A君の説明に(特にオデュッセウスの話に)うなずくことしきりでした。

K君の今日の感想は、「固有名詞の多さに難儀しました」とのことでした。そこでA君が「アンキーセス、アエネーアス、アスカニウス。この三人と、あとはディードー。ひとまずこの四人をおさえておけば大丈夫ですよ」というアドバイスで、K君の緊張を解きほぐしてくれました。

また、牛などの犠牲を神々に捧げる表現が出てきましたが、これにもA君が「実際には、焼き肉パーティーのことです」と補足してくれました。そこから、犠牲の取り分が「神々には骨と脂肪、人間には肉と内臓」となるように、プロメーテウスがゼウスをだます一連の神話を補ってくれました。

 

第3巻は移動の多い巻です。それなので、地図で確認するのを楽しみながら読み進めています。