西洋古典を読む(中高生)(2019/11/20)

福西です。

ウェルギリウス『アエネーイス』(岡道男・高橋宏幸訳、西洋古典叢書)を読んでいます。

第2巻を読了しました。受講生の方はおめでとうございます。

第2巻は、トロイア陥落の一昼夜を(現在の)アエネーアスが語る巻でした。その話中に登場する(過去の)アエネーアスは、何度も最善とは別の行動をとり、行ったり来たりします。彼は決して神々の操り人形でもなければ、完璧超人でもないんだということが、ここではじっくりと読み取れました。

「こんな苦役なら重くは感じません」と、父を背負うアエネーアス。

一方、妻を失うや、分別を忘れて(amens)、元来た道を逆走するアエネーアス。

どちらも同じ一人のアエネーアスでした。

 

秋学期はこれで終了です。

冬学期(12/4)は、第三巻の頭から読みます。